仕事で盛岡に出かけてきた。バイクイベントで岩手県に来ることはあるが山奥ばかり。県庁所在地の盛岡に来たのは2度目だ。わんこそばにノックアウトされた記憶がある。今回はせっかく訪れたのに、20時間ほどしか滞在できず、実にもったいない出張だったが、それなりの収穫はあった。
まずは腹ごしらえと駅前のラーメン店に飛び込んだ。壁に貼ってあった説明書きを読むと、京都のラーメンの流れを汲んでいるとのこと。うーむ、せっかく盛岡に来て京都ラーメンとはなんとも僕らしいなと笑いながら待つこと数分、写真の真っ黒いのが出てきた。醤油のいい香りがするスープを口に運ぶとうまい。見た目ほどしょっぱくなく、マイルドで深い味に感激の一杯だった。
わずかな時間を利用して、城下町の散策ともりおか歴史文化館なる展示施設を駆け足で見学した。僕は南部藩の知識が無く、見学しているとまるで脳が喜んでいるかのようだった。盛岡の現在の繁栄へとつなげた藩なのだから、頭に入れつつ機会があったら深く学んでみたい。そう思わせるほど、盛岡はいい街だった。
それにしても狭い日本なんて誰が言った。この出張が決まってもしかしたら満開を再び楽しめるのかと期待したが、開花どころかまだつぼみである。気温もぐっと低く本格的な春はまだ遠い。そんな季節の逆戻りは、なんとなく得した気分にさせてくれた。黒いラーメンから始まった仕事に入る前の小1時間で旅気分を味わえたのもずいぶん得した気分で、現場へと元気に向かったのだった。