バイク雑誌を多く発行する我が社はスタッフを大量動員して、明日から開催される『東京モーターサイクルショー』に臨む。我が社だけでなく、バイク業界のパワーの多くを注入して開催するまさしく春のビッグイベントだ。どうやら天気はよさそうだから、前年比プラスの動員になるだろう。
うちの会社は『レディスサポートスクエア』というブースを運営する。女性向けのバイク雑誌『レディスバイク』発行しているから、そのコンテンツをフル活用して女性のためのブースを作るのだ。女性向けのバイクやウエアも多数展示して、またがったり試着ができる。もう10年以上にわたって展開しているが、中止になった年があった。そう、東日本大震災の年だ。
イベントの多くが自粛に追い込まれた苦しい日々を思い出す。重い空気に気持ちが押しつぶされていた日々だ。そんな中で『東京モーターサイクルショー』の中止を聞き、僕はひらめいた。数多くのイベントが自粛になっているから、普段じゃ押さえられないような会場が中止によって浮いているのではないかと。お台場あたりの野外イベント会場でバイクの大試乗会を仕掛けたら、自粛に辟易としているライダーたちがきっと元気になるはずだ。そもそも自粛なんてのはかえって被災地を傷つけるとの個人的な思いが強かった。案の定、憧れの野外会場が空いていて、5月15日というバイクイベントとしても震災からの時間経過からも申し分ない日を抑えることができた。
僕は全力で突っ走った。『月刊オートバイ』を出版する老舗出版社のモーターマガジン社に共催を申し出ると快諾してくださり、惜しみなく力を注ぎ込んでくれ、開催に向けて強力なブーストがかかった。結果的には国内4メーカーを中心として、業界関連企業や団体の協力を取り付けて実行委員会を組織して開催までこぎつけたのだった。
中止になってしまった『東京モーターサイクルショー』の名を借りて『チャリティモーターサイクルショー』とネーミングして臨んだイベントは4,500人のライダーたちを飲み込んだ。自分の仕事史に残るイベントながら、そもそもを考えればなかったほうがいいに決まっている。あれから7年。明日から開催される『東京モーターサイクルショー』が無事に閉会を迎えられるように祈るような気持ちになってしまうのは、あの日のことがまだ鮮明に記憶されているからだろう。
『昭和40年男』読者のみなさんは会場に来ていただけるだろうか。もしも見かけたら声をかけてくれっ。待ってるぞ!!
チャリティーモーターサイクルショーが北村さんの仕込みなんて当時は知らなかったけど(そもそも北村さんの存在も知りませんでしたが^^;)、あのイベントで4500分の1になれたことは、自分のバイク乗り史にしっかり輝いて残ってますよ(^^)
東京モーターサイクルショーは25日に行きます!
ca-niさんもいらしていたのですか、今更ながらありがとうございました。
あの日は至らぬところが多かったと思います。あたたかい参加者たちの気持ちにずいぶん助けていただきました。