『スバルデザイン SUBARUデザイナーが貫く哲学(フィロソフィ)――継承とさらなる進化』(御堀直嗣著)が3月26日に三樹書房より発売される。
言うまでもなく、カーデザインは、クルマ選びで重視するポイントのひとつ。国内では小規模ながら、独創的な技術でシェアを拡大しているスバルは熱烈なファンが多いことで知られるが、デザインでも他メーカーとの差別化を図っており、飽きのこない存在感あるスタイルでここ数年、海外での人気も高まっている。
本書は、日本カーオブザイヤーの選考委員も務める著者が、同社のデザイン責任者に取材し、歴代車両を振り返りながら同社のデザインフィロソフィをまとめた一冊である。デザイン現場の風景や名車のスケッチ、他では見ることができない貴重な写真などカラー写真450点以上を掲載。同社のルーツとなる航空機メーカー時代から、現在のクルマづくりにいたるまで、その変遷と手法をわかりやすく解説している。昭和40年男にも馴染み深いかつてのスバル車をたくさんの写真で振り返る本書は、スバルファンならずともずっと眺めていられる内容だ。
「単に格好いいスタイルを描けることが資質ではなく、その絵を実物のクルマとして世に送り出すには、クルマに関するあらゆる知識と経験、さらには世界の交通事情に精通していなければ、カーデザイナーという職業は務まらない」(本書あとがきより)。人を中心とした開発思想は、誕生から100余年たった今も時代と共に進化しながらデザイン面にもしっかりと現われているという。近年、新たなテーマ「DYNAMIC(躍動感)×SOLID(塊感)」を掲げている同社。これから生まれる未来のスバル車に期待がふくらむ。