先週の今日は沖縄に居たんだなあなんて気持ちになりながら遠くを眺めてしまう。短い滞在で、ましてや仕事だったのだが楽しい時間を過ごすことができた。
もう10年以上前になる。初めてこの地を訪れて沖縄そばを食った時は「?」だった。コシのない麺に若干の違和感を覚えたが、食うごとにどんどん魅力にはまっていった。なんてったってあのスープだ。豚のコクと鰹節のうまみのいいとこ取りで、油ぎっておらず薄味でスープの1滴も残さない。ラーメンのスープはついつい躊躇してしまうが、沖縄そばの場合はまったく気にせずいく。半分ほど食い進んでから加える泡盛の中に唐辛子がつけ込んである、コーレーグースーなる辛い調味料がまたいい。紅ショウガとともに、味の変化を楽しめるのも魅力だ。
だいぶ以前の話になる、タクシーに乗った時に、運転手さんからおもしろいことを聞いた。二日酔いで仕事の時(現在では問題発言だな・笑)には沖縄そばにコーレーグースーをドバッとかけて食うんだと。するとすっきりさっぱりで仕事ができるとのこと。あの調味料は泡盛のアルコールが抜けきっていないだろうから、「それって迎え酒でしょ」と突っ込みたかったが「そうなんですね〜」なんて聞き流したっけ。
郷土料理は旅の大きな醍醐味だ。沖縄では豚の強い出汁がいたるところで使われていて、これに泡盛がよく合う。チャンプルを食いながらだと、いつも世話になっている『いいちこ』が色褪せてしまう。アルコール度数の高い古酒をロックで合わせるのが断然正しい。豆腐ようと泡盛の組み合わせなんか、赤ワインとチーズの組み合わせ以上である。初めて沖縄に行った時、そんな風に泡盛のうまさに感動させられ続けてしまい、けっこう値の張る泡盛を土産に買った。が、家で呑んでもその感動はなく、以来泡盛を買ってくることはなくなった。
料理との相性だけでなく、あの空気や風がやはり泡盛をうまくする。味ってのはその風土が生み出すもので、その土地のものは土地で楽しむに限る。と、1週間前の幸せをかみしめている今日だ。
サッポロ一番塩ラーメンにコーレーグースーを入れると、何故か沖縄そばっぽくなります。
豆腐ようとグラッパの相性もバツグン!!
さすがっ、料理人は引き出しが豊富ですな。試してみます!!