【S40News!】OVA黎明期をまとめた貴重な資料本が発売。

OVA-80s
発行予定:2018年2月21日/仕様:A5・並製・208ページ/定価:1,800円(+税)/編・MOBSPROOF編集部/発行・出版ワークス

80年代のオリジナルビデオアニメ黎明期についてまとめた本『オリジナルビデオアニメ 80’s テープヘッドに絡まる前に』が出版ワークスより2月21日に発売される。

昭和40年男の学生時代は、まだまだアニメは子供のものという認識が強い時代だけに、中高生にもなると親や親戚、教師などの大人から「いつまでそんなものを観ているの?」というようなアニメからの卒業圧力が高まった世代だ。また部活に忙しくなったり、洋楽に興味が出てきたりする同級生が出てくると、なんとなく恥ずかしくなって大きな声で「アニメが好きだ」とは言い出せないような雰囲気になったりして…。しかし、アニメと共に成長してきた昭和40年男だけに、そんななかでもこっそり(あるいは堂々と?)アニメを観続けたという人もきっとたくさんいるはずだ。

そんな時代に登場したのがオリジナルビデオアニメ(OVA)である。本書によれば、1983年に発売された『ダロス』という作品が世界初のOVAなのだとか。テレビ放送とは異なる、ビデオでしか観ることができないアニメは業界に衝撃を与え、新たなマーケットを生み出した。いろいろな意味でテレビでは放送されない(できない)ような表現をも含むコンテンツ群は、アニメの新しい世界を開拓したと言えるだろう。昭和40年男のなかにも、OVA作品に夢中になった人もいるはずだ。

当然ながらVHSでリリースされていたOVA作品は、ブルーレイが映像メディアの主流となっている現在においては、再リリースされない限りあらためて見返すことも困難となりつつある。時代を駆け抜け、今や振り返ることもなくなってしまったこうしたOVA作品の数々を掘り起こし、一挙紹介しているのが本書である。OVA黎明期に発表された名作・迷作を250作以上をとりあげた異色の書であり、当時の関係者へのインタビューや検証コラムにてOVAの魅力を再検証している。当時OVAの世界で試された表現の数々が現在のジャパニメーションにつながっていることを再確認できる、貴重な資料となるに違いない。

失われたサブカルチャーの一分野を網羅的に知ることのできる教科書として大変興味深い内容となっているので、OVAを観ていたと言う人はもちろん、当時は観ていなかったという方にもぜひ手にとって欲しい一冊だ。

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