つい先日、銀座にオフィスを構えるイマドキの業種の方と打ち合わせがあり出かけてきた。午後イチからだったので、ザギンでランチと洒落こんだ。が、高い店の豪華なメニューばかりだ。やっと見つけたそば屋でさえ、目が飛び出るほどの価格が書き込まれていて諦めかけたところに鳥繁なる焼き鳥屋を見つけた。そば屋がああなんだから焼き鳥も無理かなとすでにやさぐれている庶民だが、鶏そぼろ丼900円の文字を見つけた。もうすでにこれが安く感じるのだから、銀座ってところは恐ろしい。迷わずインだ。
待つこととしばし、周囲ではもう一杯やっていたりするからきついったらない。焼き鳥で一杯。近々行ったるわいと思いながら出て来たのは写真のとおりだ。「うーむ、お上品な量だな」と心が叫ぶ。そしてやさぐれた心は「女子かよ」と続けて叫んだ。
さて、まずはスープかなとズズッとやるとこれがいい意味でのお上品である。当然ながら心の叫びは「うまっ」である。血糖値が気になるおっさんはこんな時も無駄な抵抗のごとくベジファーストしようとするから、まずは漬物に箸を出した。これまた「うまっ」。大きな卵を割ると半熟卵で、まずはこいつを乗せず主役のどんぶりに手を出した。これまた上品でありながらパンチのあるお味で、どんぶりより重箱の方がいいんじゃないかと庶民はいらぬことを考えたりする。そして1/3ほど食い進んだところで卵を投入すると、なんとも幸せな心地に酔いしれた。
さっきまであんなにやさぐれていたおっさんはすっかりご機嫌になった。が、ひとつ残念なことに腹はまったく満たされず、打ち合わせ後の帰り道で新橋の老舗岡山ラーメン店の後楽本舗に寄ってしまい、結局この日のランチは1,470円になってしまった。やはり、恐るべしザギンである。