ミシュランは、ドイツはベルリンで開催された「第11回ミシュラン・チャレンジ・ビバンダム」において、パンクを自己修復するタイヤを公開した。
ミシュラン・チャレンジ・ビバンダムとは、道路輸送に関わる世界の人々が一堂に会し、政財界の関係者やオピニオンリーダーに対して、持続可能なロードモビリティに関する最新技術の進捗状況や客観的な情報を提供する国際的なイベント。第11回となる今年は、ベルリンの旧テンペルホーフ空港での開催となった。
ここで初披露された同社の自己修復タイヤは、トレッドにできた穴を塞ぐ役割を果たす新開発のゴム材がタイヤ内部に貼ってあり、運転中にクギを踏んでしまっても空気圧は低下しないという。これまでにも、市販タイヤに注入するタイプのパンク防止剤などが存在したが、車両を長期間にわたって駐車した場合、タイヤ内面底部にゴムが溜まる、いわゆる“偏り”が起きる可能性があった。しかし、ミシュランの開発したゴム材ではこの偏りが発生せず、これによる走行時の振動の発生が起きないのが特徴。また、その他のタイヤ性能を損なうこともないという。
クルマではそれほどパンクを経験することはないが、いざというときのために、トランクには重くて大きなスペアタイヤを搭載している。このタイヤ技術があれば、スペアタイヤがいらなくなって、車内スペースを有効活用し、車体の軽量化にも貢献してくれるかもしれない。市販タイヤへの応用が期待される。