人はなぜ苦しくとも前へと進むのか。それはお正月があるからだ。と、そのくらいお正月好きなバカ者だ。仕事の電話が一切鳴らず、何も考えなくていい大晦日からの4日間は真の休日であり至福である。もうすぐそこに迫っているのに、まだまだ年内にケリをつけなければならない仕事が山と積まれていて、ゼェゼェハァハァ言いながらなんとか走っている状態だ。酸欠状態ながら進めているのはその先にお正月があるからだ。
と、そんな日々ながらこいつを買っているのだからまだまだ余裕があるじゃないか(笑)。10代の頃より欠かさず読んでいる月2回発行の『ビッグコミックオリジナル』である。かつては漫画誌ジャンキーだった僕だが、20代の頃より間引きを続けて唯一残った。それは安定感抜群の『あぶさん』と『浮浪雲』が僕の心を離さなかったからだ。加えてこの1冊に漂う季節感も魅力である。最近では他の漫画誌を読んでいないから比較はできないが、表紙ひとつ取ってみても年がら年中ビキニの女の子に頼っているとのは大きな差だ。『釣りバカ日誌』は季節の挨拶から作品が始まることが多いし、『三丁目の夕日』なんかは懐かしい暮らしの中にある季節を巧みに表現している。
5日と20日の発売で、ちょうど昨日の発売号は1/5号となる。するってえと表紙がこうしてめでたくなるのだ。「ああ、もうお正月が目の前だ」という、オアシスを見つけたような気分を味わった。村松誠さんの優しい表紙絵も僕を離さない大きな要因で、加えて句が詠まれる。今回は村松さん自身によるもので“右に父 左に母の手 初詣”ときた。素晴らしい表紙じゃないか。加えてロゴは金を使っている。「これって印刷代が高いんだよなあ」なんて無粋なことを呟きながら喜んでいたりする。
会う人、会う人と「よいお年を」と挨拶を交わす日々だ。これも大好きな言葉である。明ければ「おめでとう」になる。相手へのやさしさを込めた行動に、日本のよさを感じながら過ごす年末年始である。さあ、いよいよ本当にラストスパートだ。
小学館の雑誌は、どれも粋ですよね。
どこかに「故郷」を感じたりするのは、
子供の頃読んでた「小学○年生」や「レコパル」の
イメージがあるからかな?
おっしゃる通りです。小学シリーズは6年付き合った人生初めての雑誌です。それを引きずった人生を送ってます(笑)。