ずっとずっと愛されるハマちゃん!!

ハマちゃんの活躍はもうずいぶん長いこと続いている。僕の誇る漫画コレクションから引っ張り出すとこの単行本が発行されたのは昭和55年のこと。大したものである。

描き続けられているハマちゃんは昭和の香りがプンプンするイマドキには生まれてこないキャラで、その意味では寅さんやつい先日惜しまれつ最終回を迎えた『浮浪雲』の浮浪さんと並ぶキャラかもしれん。寅さんの生みの親、山田洋次さんはハマちゃんを映画化し、『ビッグコミックオリジナル』は浮浪さんとハマちゃんを共存させた。なるほど、さすが愛されキャラのハマちゃんである。

単行本1巻の表紙に書かれた口上で33歳だったハマちゃんは今何歳だろう。連載開始当時はみち子さんのお腹の中にいた息子の鯉太郎くんが現在小学生だから、35年以上かけて約10年進んだということだ。うーん、羨ましい。ともかく俺たち世代はいつの間にかハマちゃんの歳を上回ってしまった。

釣りネタが昔よりやや減って、人生の楽しみ方に力点が置かれたいい説教が増えている気がする。変化する世の中に、変わらないあたたかさや真実を打ち込むハマちゃんの奮闘はおっさんに心地よく響く。そんなうまくいかねえよと突っ込むなかれ、ハマちゃんの世界とは寛容に付き合うべしだ。その余裕がおっさんの毎日をきっと豊かにする。そしてこれだけ長いこと続いてきたことに脱帽である。変わらないように感じさせるご苦労に感謝しつつ、これからも元気なハマちゃんを描き続けていただきたい。

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