ハウス食品のシチューのCMを見ただろうか。ご飯にかけるシチューだからシチューオンライスとのことで、サイトを覗くとキャッチコピーは“今までなかった! ごはんにかける新シチュー”としてある。僕にとってはそんなんあたり前田のクラッカーなのだが、ここまでやられると気持ちがいい。そして、昭和40年男たちのシチューライフはどんなもんだったのか気になった次第である。
僕の育った家では問答無用でシチューオンライスだった。大好きな料理のひとつで、白いシチューはチキンで茶色いのはビーフを切望したがやはりチキンやポークだったりした。そう、僕らが幼少の頃は牛肉は手の届きづらい肉だった。茶色のシチューのパッケージにはビーフシチューと書いてあるのに、皿の中にビーフが見当たらない。それでも白いシチューよりも異次元を感じさせてくれる洋食な味に惚れ込んでいた。親父は白の方が好きで、当然ながら出てくる頻度はホワイトシチューの方が高い。まあ、当時の僕にとってはほとんど甲乙つけがたい一皿で、いつも喜びに包まれるのだった。
カレーは半ドン授業の土曜の昼なのにシチューは夕食のメニューだったのは、洋食っぽさをお袋が意識しての演出だったのだろう。シチュー皿に盛り付けるなんてこともしてくれたりした。そしてご飯は茶碗でなく皿に盛るライス仕様だ。この感じも洋食っぽくて、ガキの心はウキウキした。さて、ここで皆さんに問う。パンはありだったか?
小学生の高学年になった頃、近所に洋食屋がオープンした。うちの商売である電気製品をたくさん仕入れてくださり、オープン直後に家族でちょっとだけおめかしして出かけた。好きなものを食っていいぞという親父に大感激しつつも、さすがにビーフステーキとは言い出せなかった奥ゆかしい僕だ。聞いたことのないメニューがたくさん並んでいる中に、やや高めだがビーフシチューの文字を見つけた。「これだっ」と親父にねだるとこの嘆願は通った。もしかしたらステーキでも通ったのではないかと若干の後悔をしつつ、それでもドキドキしながらビーフシチューを待った。
出てきた一皿は夢のようだった。まさしく異次元だ。料理好きの僕はビーフシチューを作ることがあり、きっとこの日の衝撃を求めている。が、いかんせん想い出の味ってのは実際より何百倍ものうまさに育つからかなわない。そんな衝撃の味だったが、この時ひとつだけ不満があった。パンだ。皿に盛られたのはライスではなく、パンだったのだ。異次元の衝撃を受けたもののこれは残念で仕方なかった。その後の僕にとってもシチューにパンはない。給食じゃあるまいしってか。
こんにちは。ずばり昭和40年男ですw。
確かにシチューにパンはない!同感!パンも好きだし、朝パンを食べることはあるけど、夕飯にパンを食べることはまずないです。
当然ながら「昭和40年男」懐かしく共感する記事が多く、いつも楽しみにしてます!
KOJIさん、シンパシーメッセージありがとうございます。
僕も朝のパンは喜んでましたよ。ピザトーストの日なんて飛び上がって喜んでました。
余った3日目のカレーをカレーシチューにしてた我が家。
カレーシチューとは、ハイカラですなあ。我が家は翌日で空っぽでした。