青い空になぜ怒り!?

先週末大騒ぎになった台風が去った後、東京の空はこんなにキレイになっていた。スマホでカシャッと撮ってなんの加工もせずにこの青なのだからあっぱれである。僕らがガキの頃の空は汚かった。流れる川も未来永劫汚染は進んでいくと思うほど壊滅的だったが、写真の多摩川には多くの生き物が戻ってきている。これからももっと頑張ろうと世界は協調しながら地球温暖化に立ち向かっていくのだ。

その陰で愚痴もこぼさず努力している方々がいる。いや、飲み屋ではこぼしているかもしれない。僕がよく知るバイクメーカーさんも、厳しい排ガス規制が課せられていて大変なことになっている。えーっ、まさかお前もかってな気持ちで生産終了のアナウンスの数々を聞いた。消えていく宣言をした中にはヤマハのSRなんて名車も含まれていて、対策を急いでいることだろう。また、昭和40年男のちょい年下のホンダのモンキーも50周年モデルで幕を閉じる。こちらの復活はどうやらなさそうだ。というのも、50ccモデルに未来はない。国内のバカバカしい制度によって存続している排気量だから、厳しい排ガス規制に対応したところでほぼ市場がないのだ。

もっと言えば、すべての50ccは企業の利益という観点から言えばほぼ作る意味がない。かつて50ccの市場を巡ってHY戦争と呼ばれた消耗戦をしたホンダとヤマハが手を結んだほどである。社会インフラと言える郵便や新聞などのデリバリーが50ccで行われているから、その責務で生産をしているといった状況だ。スズキの鈴木修会長は先の決算会見で、世界ではそして国内についても「125ccとか150ccが小さいクルマ(バイク)の限界になるのではないか」と触れ、社内広報マンを震えあがらせた(笑)。

ちょっと話がそれた。ともかく、大変な苦労を強いられながら排ガスに立ち向かっているメーカー各社である。そんな折、どこぞの大統領さまはパリ協定からバックれるというのだから恐れ入った。長い時間をかけて青い空へと歩んでいる世界に対して逆行させるのは、時間をかけたテロ行為だと言えるのではなかろうか。と、せっかくの美しい空を見上げながらなんでこんな気分を味わっているのかと、怒りは増すばかりだ。

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