ご周知のとおり、広島東洋カープがセ・リーグ連覇を決めた。途中離脱した鈴木選手がユニフォーム姿で登場したり、監督の胴上げが延々と続いたりと泣ける要素であふれていた。2位タイガースの本拠地にもかかわらず、広島への応援の声が響き渡っていたのも印象的だった。
僕はずっとタイガースファンを貫いてきた。裏切り者である。強いカープに寝返ったミーハーだと言われても仕方なしだ。だが、小学生の頃より愛したタイガースから心が離れてしまったのには山より高く海より深い理由がある。一方で広島への愛が深まっていったのにも当然ながら理由がある。キッカケは『昭和40年男』(vol.29) でカープの初優勝を取り上げて、古葉監督のインタビュー記事を作ったことだ。広島市民の方々の深いカープ愛を語りながら、古葉さんは取材の現場で涙を流したそうだ。球団とファンの関係に強い絆を感じて僕の気持ちは大きく傾いた。
野球に限らず、スポーツチームを応援する気持ちの2大要素は自己満足とチーム愛だと僕は思っている。好きなチームが勝つことで得る満足感は大きく、スッキリ爽やかな気持ちになれるのが自己満足。一方、勝ち負けでなくその球団の成り立ちや姿勢、伝統などを深く愛するのがチーム愛だ。負けてもいいとは言わないが、愛することで自分がハッピーになれる。無償の愛に近く、カープファンはこれが強い方が多い。去年「広島秘密基地」の幹事会結成飲み会でこれでもかっと見せられた。ちょうどこの日は広島がCSシリーズ突破を決めた日で街にもカープ愛があふれていたからなおさらだ。その源流には、原爆から立ち直った結束力も見え隠れするのをみなさんとのコミュニケーションで見つけて、この日を境に僕はカープファンの末席に加えてもらった。
去年以上に強く見えた訳は、故障者が出てもそれをあまりあるほどに補える厚い選手層にあった。しかも若い選手が多い。市民球団ゆえ年棒が低いことはよく言われることで、だから育成こそがカープの生命線だというのは昔から変わらない。その育成を支えているのがファンの無償の愛というところがたまらない。愛にあふれた応援を得た選手たちは当然ながらファンとチームを愛する。愛が愛を育てて今の強いカープがあるのだ。と、裏切り者でミーハーながら訴える。これまた最強のソフトバンクとレベルの高い日本シリーズ (CSがあるが間違いないだろう) を期待しつつ、広島になんとか出張が作れないかと画策していたりする。広島に本社のある会社さん、『昭和40年男』に広告出稿しませんか。その打ち合わせに行きます (笑) 。
広告代理店は広島広告協会会員の加藤自動車まで!