今年の夏は寝込んだり、真夏の祭典『鈴鹿8耐』が涼しかったり、花火大会が中止になったりと、人生における最も盛り上がらない夏を経験した。女の子をナンパもできなかったし(笑)。でも机の端っこからこんなのを見つけてちょっとだけ夏の出来事に微笑んだりした。
去年、高校で野球部に所属する甥っ子の応援に出かけてえらく感動した。球場で見るゲームはスリルかあり楽しく、球児たちやそれを応援する学生たちの清々しさったら忘れかけていたことを取り戻す気分だ。球場が一体になり夏のギンギラ太陽と勝負するのもおっさんには刺激的である。
その感動や刺激が忘れられず、今年は神宮に行こうと企んでいた。そんな折、自分が住む大田区の都立小山台高校が勝ち上がり甲子園候補と戦う。「これだっ」と神宮球場に出かけたのだ。我が大田区の星は敗退してしまったが、それはそれは気持ちいいゲームで真夏の炎天下で涙したおっさんだった。それだけでない。「応援よろしくお願いします」と学生よりと手渡された応援の手作り感満載のしおりだったり、親たちが麦茶をサービスするなどのおもてなしまで受けてその度にジーンとくる。高校野球には心を揺さぶる空気で満ちているかのごとく、何から何まで感動してしまうのだ。試合終了後のエールの交換なんて泣かない昭和40年男はいないだろう。来年の神宮では読者さんに呼びかけて観戦ツアーをして、みんなで泣こうと思っている。
ささやかながらいい想い出もあるじゃねえか。今年の盛り上がらなかった夏の忘れかけていたオアシスだ。小さなチケットながら、見つけてよかった。