子供の頃に読んだ懐かしい本の数々をエッセイ風に紹介する、『昭和こども図書館』が大空出版より発売されている。
今も読み継がれている名作や、昭和40年男が子供の頃のオカルトブームで巷にあふれていた怪奇系児童書などを大人の目線で あらためて振り返ってみるという、とてもユニークな視点で紹介されたガイド本。あくまで大人のための本である。
子供の頃に読んで怖い思いをしたり、切ない気持ちになったり、全く理解できなかったり…そんな本の数々が懐かしい表紙と共に、次々と現れる本書は、自然と「あの本をもう一度読んでみたい」という気持ちにさせてくれる。
あの頃には想像もできなかったけれど、今は電子ブックという便利なものができて、本屋さんや図書館に行かなくても本は読めるし、そうなると本棚も要らなくなってしまう…。今の子供たちは、夏休みの感想文を書くためにタブレットで本を読んだりするのだろうか? などと要らぬ心配までしてしまうのである。やはり本は手に取って眺めるからこそ、その表紙もさし絵もずっと心に残り、思い出せるのではないだろうか。そう思うと、やはり昭和40年男は本当によい時代に生まれ育ったのだとあらためて思うのだ。
本書で紹介されている100冊を超える作品たちのなかには、きっと思い出の本が何冊もあるに違いない。大人になった今、あらためて読んでみるとまた違う感動に出合えるかもしれない。
『昭和こども図書館』
2017年7月27日発売
著者:初見健一
価格:1,500円(+税)
発行:大空出版