だいぶ良くなったから白状しよう。実はワタクシ10日ほど寝込んだ。幼少の頃は病弱でちょくちょく幼稚園を休んだが、それでも10日も寝込んだことはない。長い人生で初めてのことだった。これがなんともバカバカしい話なので、同世代諸氏に注意喚起の意味も込めて健康講座を綴ることにしよう。
ことの発端は6月の終わりころのこと。足の爪を切っていると異変に気がついた。痛くもかゆくもないものの、指の間の皮がめくれているのだ。ありゃりゃ、こいつは噂の水虫かなと疑い、ネットで調べてみると画像にあげられているほど醜くはないものの似ている。「おーっ、なんてこったい」と、薬屋へ向かった。実にたくさんある水虫の薬を物色していると、なんとも惨めな気分になった。そう、水虫ってなんかかっちょ悪いイメージがある。レジには可愛い女の子ばかりだし帰ろうかと思ったが、ネットで見た映像は強烈で悪化させちゃいかんと観念して、1日1回塗れば効くというクリームタイプのものを購入した。
この日より、せっせと塗り続けた。良くなったかと思うと逆戻りを繰り返す日々ではあるものの、なんせ痛くもかゆくもないからそのまま塗り続けた。するとまたまた異変が起こる。塗り続けた部分がひび割れするようになり痛い。ただこれも数日で治るものだからただひたすら完治を目指して塗り続けた。
1か月以上が経過してひび割れが徐々に悪化してきて痛みが強くなり、ついに医者へ行くことにした。僕が医者に行くのはよっぽどのことである。男の先生であることを祈っていたが女医さんで、カッコ悪いなと足を見せた。そんな僕の恥じらいなんて知ったこったないとのごとく、「見てみましょう」とピンセットで皮をむしってプレパラート(懐かしい)に乗せて薬品をふりかけ、アルコールランプ(これまた懐かしい)で炙って顕微鏡を覗き込んだ。なんともいえない色気を発する女医さんで、しばし顕微鏡をのぞき込む姿に見とれていると唸るように「菌がいないわねえ」とのこと。薬が効いているからかもしれないからだと説明しながらも「見た感じは水虫なんだけど」とちょっと???な感じ。ともかくひび割れを治そうとの目的でステロイド系の塗り薬が処方された。これで1週間くらいしたらもう一度水虫の菌を探すとのこと。この時点では水虫か否かは判定されず、処方された薬を塗り始めた。この後とんでもないことになっていくのだった(長いから続く)。