寅さんが大好きだ。歳を重ねれば重ねるほど笑いより涙が増える。おかしさの中にある哀しみが胸に突き刺さるかのように迫ってくるのは、誰もが年齢の分だけつらい経験を積み重ねていくからだろう。今回の8耐をからめての出張ではライダーたちのつらい姿を見せられたり、自分自身にもきつい場面があったりとまさに男はつらいよである。寅さんのように悲哀を笑いに変えられる男になるべく、奮斗努力を繰り返すぞ。
このブログで大騒ぎしてきた『鈴鹿8耐』は、去年に続き今年もヤマハの圧倒的な強さを見せつけられた。ヤマハはリーマンショックの影響でつらいところに追い込まれたが完全復活を果たし、そのままレースでも強さを取り戻した。8耐には3年前よりワークス体制でのぞみ昨日の勝利で無傷の3年となる。レース雑誌の編集長と土曜日の時点で互いのトップ3を予想し合った。双方さすがに今年あたりヤマハの勝利はないとあまり根拠のない読みで、僕はヤマハを2位にしてトップはスズキのメインチームヨシムラとしたのだったが見事に外れた。ちなみに2人ともすべての予想が外れたのだから、耐久レースってのは本当に難しい(と、互いの名誉をかばっておく)。
努力は必ず実るわけじゃない。ましてやレースの世界はコンマ何秒での判断ミスや、運命のいたずらを受けやすい。8時間も積み上げるのだから勝利はどれだけ困難なことか。それをワークス復帰で無傷なのだ。努力は必ず実るわけではないが、努力のないところに勝利の女神は微笑まない。チームとしての問題点を抽出して、完全につぶすように解決していくのを日夜繰り返したのである。他のチームとは次元の違う努力を繰り返しているから、強さだけでなく美しさまでも感じ取れるチームだ。
僕個人の8耐は不完全燃焼に終わってしまった。一番は暑くなかったことだ(笑)。灼熱地獄の中でハイになりながら作業を繰り返すことで、仕事に全力を注いでいる気になれる。この辺りは凡人すぎて、ヤマハチームの話から流れてきたのは恐縮すぎるが、僕はそれさえも努力と位置付ける。日々の仕事に力を注ぐのを繰り返すしかない。
この3年は取材だけでなくメーカーブースの仕事もしていた。今年はなかったことで、去年のように真っ白な灰になれなかったのもある。3年間必死の努力をしたつもりだったが、今年はなしという結果を招いたのはとどのつまり努力不足だったからである。至らぬ点がきっと多々あったのだ。会場でじつに多くの方から「今年はやらないんですか」と聞かれて答えに困っていた僕だったが、今日になって後悔している。努力不足だったとなぜ答えられなかったのだと。ヤマハの美しすぎる完全勝利を見て、またこうして振り返ることで反省しきりの今日だ。もっと次元の違うところに自分をぶち込みたい。いろいろとあったこの出張でおおいに学んだ、まだまだ未熟すぎる男である。
こんばんは。
今年も表彰台でのKawasakiが見られてよかったです。
例年にない過ごしやすい鈴鹿8耐でした。
そして、Kawasakiブースのベンチでたまたま隣に座られたので『編集長、今年はKCBMやらなかったのですね?』と声を掛けてしまいました。
編集長自身の悔しい思いは考えもせず、申し訳ありません。
次のKCBM楽しみにしております。
あ、来年の8耐イベントも(^^;;
いえいえ、ちゃんと答えられなくて申し訳ありませんでした。
涼しかったですねー。ハスラムのファイトに乾杯!!