【間もなく発売! 昭和40年男 2017年8月号】ゲームと昭和40年男。

昭和40年男 2017年8月号 表紙先日、発表したとおり、最新号(vol.44) はゲーム特集となりました。今なら「ゲーム」と言えばほぼコンピュータゲームを指すんでしょうけど、そこは『昭和40年男』ですから、アナログゲームにむしろ重きを置いた内容になっています。表紙を飾ったのは、そんなアナログゲームのなかでも代表格のひとつであろうエポック社「魚雷戦ゲーム」です。

実は「魚雷戦ゲーム」はロングセラーだけあっていくつかの変遷がありまして、表紙に掲載したのはリフレクトスコープが搭載された1971年頃発売のモデルになります。世代的にはおそらくこれか、この次の1974年頃に発売されたモデルあたりが昭和40年男が遊んだものと思われます。74年頃のモデルではリフレクトスコープは廃止(後に復活)され、砲台が対角線上に配置されています。どちらを表紙にするか、かなり悩んだのですが、砲口の間に配されたリフレクトスコープがとても特徴的なことからこちらを選びました。みなさんが遊んだ「魚雷戦ゲーム」はどちらだったでしょうか。

さてさて、今回の特集では「コミュニケーション」というキーワードを軸にしながら、ゲームについて考えるような構成にしたつもりです。というのも、幼少時代にゲームを通して、さまざまな人間関係を学んだ側面があるのではないか?と考えたためです。時代や環境の変化で、ゲームをめぐるコミュニケーションは大きく変貌を遂げているなかで、昭和40年男が体験したゲームはどんなもので、そこからどんなコミュニケーションを学んだのか? このことを考察していけば、おのずと昭和40年男の世代観が見えてくるかもしれない…そんな仮説を立てて臨んだ特集でした。

特集を組んでみて感じたことは、コンピュータゲーム登場以前は、ゲームというものがそれほど身近なものではなかったかもしれないということです。つまり、誰しも買ってもらえるほど社会全体が豊かではなかった、ゲームで楽しむためには大勢の人が集まる機会が必要であった、子供は外で遊ぶことが健全であり、屋内でゲームをするのは好ましくないとされていた… そういう環境が存在していたという事実です。もちろん、これは家庭や地域などで環境がまるで異なりますので、一概に言うことはできません。ただ、全体的にはゲームが今よりも特別なものであり、人によっては盆や正月といったハレの日に遊べる特別なもののひとつとして存在していたのです。その後、急速に進んだ経済成長やパーソナルなゲームの登場などによって、少しずつゲームが身近になり、家庭用コンピュータゲームの普及によって現在に近いゲーム環境が整っていきました。昭和40年男は、そのようなゲームを取り巻く状況変化のほぼすべてを大人になる一歩手前くらいまでの間に体験してきた世代だったのです。

ということで、昭和40年男とゲーム体験を紐解きながら、ゲームの変遷をたどるという本特集は、なかなか味わい深いものになったと自負していますので、7月11日発売予定の『昭和40年男』2017年8月号 をぜひ手にとってみて下さい。明日以降も掲載した記事を紹介しながら、もう少し語っていきたいと思います。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

4件のコメント

  1. 表紙にヤラレた! 明日、即買いです!!

  2. >> 320 さん
    コメントありがとうございます。『魚雷戦ゲーム』、『レーダー作戦ゲーム』、『レーダーサーチ』は海戦ものを代表するゲームで、今触ってみても本当によくできていて感心させられます。特に『魚雷戦ゲーム』の球が転がる音はなんとも言えない重厚感があって、水面を模した青いプラ板の下を進む様が本当の魚雷のようでドキドキしたものです。

  3. この「魚雷戦ゲーム」と同じく海戦ゲームの「レーダー作戦ゲーム」とよく遊びました。
    両方ともお年玉として親か親戚にもらったと記憶しています。
    「魚雷戦ゲーム」の「ゴロゴロ」って玉の転がる音は今でもなんとなく覚えてますね。

コメントは受け付けていません。