なんのこっちゃ?というタイトルですな。『スポットライト』は10年前に福岡天神で開業して、東京新橋に進出。先月には新宿にもオープンした歌謡曲バーである。天神の店は『福岡博多秘密基地』の3次会会場としても使わせてもらっていて、何をかくそうここのオーナーは『福岡博多秘密基地』の幹事会の1人であり、浅草にもちょくちょく来てくれる友人である。先日、遅ればせながら開店祝いの宴席を設け、そのまま2次会でオープンしたての新宿店に潜入したのだ。
写真のようにレコード棚があり、客はこれらを懐かしく眺めながらこれだという1枚を探し、スタッフに渡せばリクエスト完了だ。テーブルにはリストブックがあり、テーブルからのリクエストももちろんできる。歌謡曲全盛時代の70年代から80年代の曲が多いから、客層は我々世代が中心となるが、僕が行った日はカワイイ女子大生もいて話を聞くと、若い人にとっても当時の歌謡曲は魅力的とのことで、松本隆さんのファンだというのだからおもしろい。彼の言葉は世代をこえるのだな。以前テレビで見たインタビューで、僕の言葉は永遠だと語っていたがまさにその通りだ。
2曲ほど入れようかなとリストを覗き込み、さんざん迷ってビューティ・ペアの『かけめぐる青春』と山下達郎さんの『SPARKLE』というベタベタながらベクトルの違った曲をリクエストした。まずかけてくれたのは『かけめぐる青春』で、昭和の香りがプンプンしてよろしくいやあ燃えた燃えた。同一人物からのリクエストということだからだろう、しばらく他のお客さんのリクエスト曲が続く。どれもこれもセンスのいいベタベタリクエストが続いて楽しいったらない。そしてやっと『SPARKLE』がかかると、明らかに空気が変わった。よくよく考えたらここは歌謡曲バーであり、「山下さんを歌謡曲扱いするのは無理があるぜ、オーナーさんよお」と言いたくなるほど音世界が異なる。久しぶりでしかも大音量で聴いて改めて感動したのは声の圧がハンパでないこと。加えてやはり楽曲とアレンジの色褪せない魅力だ。松本さんの言葉は世代を超え、達郎さんのサウンドは時代を超える。「このかっこよさはなんなんだー」と心の叫びと達郎さんの声がまさにスパークルしたのだった。こんな素敵な音が僕らにとってもっとも多感だったころに打ち込まれたのだから、これは山下さんだけでなく神に感謝だな。
新橋店も新宿店も程よくおしゃれで女の子を連れて行ってもきっと喜ばれるだろう。なんてたって女子大生が瞳をキラキラさせているくらいだからね。現在は東京と福岡でしか展開していない店だから、遠方の方は記憶にとどめておいて仕事や観光ついでに出かけてみてちょうだい。おすすめスポットですよ〜。