1,296円のラーメン。

IMG_5039「たかがラーメンにそんな大金払えるかっ」との叫び声が聞こえてきそうだが、まあまあ。赤坂の名物ラーメンをご紹介しよう。

つい先日、赤坂で昼前より打ち合わせがあり、朝からここでランチを取ることに決めていた。酸辣湯麺(スーラータンメン)発祥の店で、赤坂見附駅と赤坂駅の真ん中くらいに位置する『榮林』だ。価格は普通のラーメンの約2杯分だが、それに見合ったうまさである。赤坂の店にはとてもいけないという方には明星の『中華三昧』の酸辣湯麺がこの店を名乗っていて、なかなかの再現具合だから試してみてはいかがだろう。

酸っぱくて辛いラーメンを食べに行こうと誘われて初めてここに入ったのは、もうかれこれ20年以上前だろう。ランチタイムのここは入ると酢の香りがするほど、満員の客のほとんどがこの一杯をオーダーする。まさしく酸っぱくて辛いのだが、うまみとのバランスがバッチリである。とろみがついていて麺との絡みもすこぶるよく、何度食っても絶品である。

かつて我が社は赤坂にオフィスがあり、こいつのせいで僕は太った。当時はおかわりが何杯でもOKのライスと一緒に注文して、麺を食い終えるとスープで2~3杯のライスをかっ込んでいたのだからそりゃあ太るよ。財布にはきついが他を切り詰めてでも行くジャンキーっぷりで、会社の仲間たちを誘っては彼らも次々にはまってしまうという困った存在だった。

酸辣湯麺をラインナップしている店が増えたのはここ10年くらいだろうか。だが、どこに行っても偽物である。ここのうまさに勝つどころか、どこもかしこも足元にもおよばない。最近ではもうすっかり諦めて、酸辣湯麺はここと明星しか食わない。

最近では年に数回しか行けないが、行けば必ずレジのおばちゃんやホールのベテランさんが「あらっ、久しぶり」と声をかけてくれる。そんな隠し味に感激しつつ「また赤坂で打ち合わせがあったら来ます」と言い残すのは、オフィスが引っ越した2007年以来のお決まりである。

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