巨人・大鵬・卵焼きを子供達が愛するとの表現が初めて使われたのは、我々の生まれる以前だそうだが、まあわからなくない。遊びといえば野球だった我々のガキの頃、なんといっても巨人はその中心的存在だった。ファンでなくとも、巨人にどう勝つかに注目する。僕がタイガースファンになったのも、野球に興味を持ち始めた小学生の頃に周囲が皆ジャイアンツを応援していて、その対抗馬がタイガースだったからだ。
昭和40年男は生まれてからずっとジャイアンツの優勝を見てきた。生まれた年から8歳になる昭和48年まで9連覇なのだから。V10を逃し長嶋さんが「わが巨人軍は永遠に不滅です」と日本中に宣言した日は、昭和40年男の記憶に強く残っているだろう。そして翌年、そのまま長嶋さんが監督に就任した。大リーガーのジョンソン氏を獲得したり、多くの話題を振りまきながら始まったシーズンは惨憺たるものだった。この時に記録したのが11連敗である。記憶が定かでないのだが、後楽園に行って観た広島戦はこの連敗中だった気がする。快進撃を続けていた広島ファン数名が赤いハッピでジャイアンツファン席に乱入してきてもみくちゃになったなんて騒動があった。僕は前述の通り阪神ファンだったが、とはいえジャンアンツは特別な存在だからこそ出かけたのだし、この光景は生涯忘れられない。そしてこの日も巨人は敗れた。
さて、それ以来となる連敗記録が更新中である。とんでもない連敗続きで昨日も3回には勝負あった〜な展開でファンの方々はさぞ気を落としていることだろう。時代は変わっても、巨人・大鵬・卵焼きなんて言葉が忘れ去られた今も、野球の中心には強いジャイアンツがいて、そことどう戦うかが醍醐味である。広島カープに魂を売っちまった僕にとっても残念でならない。
今日も記録を更新してしまうのか? 止めるのか? 首位を走るカープのライバルとして、強い巨人でいてほしいと願う昭和40年男だ。『巨人の星』や『侍ジャイアンツ』で育った我々に共通する想いでなかろうか。昭和50年を思い出しつつ、久しぶりに弱すぎるジャイアンツにエールを送ろう。