ひっくりかえす。人の世ではよくあることで、仕事でもちょくちょく出くわす。クライアントとの関係が担当者の移動によってゼロになり、結果的にそれまで積み上げてきた努力が全く意味のないものになる。常に前進や変化を求めねばならないビジネスシーンでは仕方なしだが、そこに誠意があるないでひっくりかえされた方の気持ちには雲泥の差が生じる。
東京がお騒がせしている豊洲の移転問題も、多くの人の汗と涙と努力と金が注ぎ込まれて直前を迎えていた。僕が世話になっている料理屋の親父さんたちも仕方なしとの気持ちにやっと落ち着いた。その中の1人からは、市場がちょっと遠くなるからバイクを新調したいなんて相談を受けたくらいだ。早々に築地から撤退した業者さんも多いそうで、もう完全に発進していたのだ。親父さんたちの気持ちの整理はまだましで、早々に対策して店をたたんだ業者さんの悔しさはいかほどのものか。想像すると痛ましいばかりだ。
東京都知事といえばかつてを世界都市博覧会のひっくりがえしをひとつの争点に担ぎ上げての選挙があり、反対を主張した青島さんが圧勝したのは記憶にそう遠くない。とんでもないひっくりがえしに、僕らの業界の仲間たちにも多くの涙が流れた。
豊洲も世界都市博覧会も東京を舞台にした極めて深刻な問題だ。が、今日のはもっとでかい。ずっとひっくりかえすといい続けてきたジャイアン…、じゃなくトランプ氏がついにそのカードを正式に切ったのは、地球の未来である。トランプだからカードってか。なんてオヤジギャグ言ってる場合じゃない。TPPもさることながら、世界が協調して未来への愛に向かっていたのをご破算にするとはなんたることか。怒りである。地球のすすり泣きが聞こえてくるような気分だ。
極めて小さな話につなぐ。バイク業界の中でアリンコよりも小さな存在の僕らだが、地球環境に目を向けようと汗を流してきた。活動の精神である、地球という素晴らしい星に楽しませてもらっているバイク乗りなんだから、地球に愛を送るんだとメッセージを発し続け、善良なるライダーたちに集まっていただき海岸清掃も続けてきた。2003年より年に数度開催してきた海岸清掃は、来週末に初めて北海道の地へ行く。アリンコは小さいながら強く怒りの声をあげていく。