【好評発売中! 昭和40年男 2017年6月号】終末ブームと死生観の関係。

この数日は天候が不安定になっていますね。ヒョウやスコールのような大雨が降ったり、気温も激しく上下しているうえに、大事にはなりませんでしたが地震がきたりしてなんだか不穏な感じがします。こんな不穏な気分をどこかで感じた記憶があるような…? それはきっと小学生の時に汚れた海や河川を見た時、あるいは光化学スモッグ警報を聞いた時、そしてパニック映画やオカルト作品を観た時ではないでしょうか。

オカルトと死生観 昭和40年男

映画『日本沈没』と『ノストラダムスの大予言』に端を発する終末ブーム時に多感な小学生時代を過ごした昭和40年男。彼らの死生観を探っている最新号では、こうした終末ブームが死生観に与えた影響について探っています。

著者の初見健一さんは「あの頃の僕らは、目くじらを立てていた大人たちよりもずっと冷静で、あくまで客観的に事態を眺め、そのうえで “終末ブーム” を本気で楽しんでいた。…だが、本当にそうだったのか?」と、まったく影響がなかったと思っていたけれども、そうとも言えないと考察を切り出しています。きっと多くの昭和40年男たちもこんな感覚だったに違いありませんが、数々の終末を思わせるネガティブな情報渦巻く環境下において、健全な思考や思想を保てたのかどうか。映画、小説、万博、マンガ、児童書などをひとつひとつ振り返りながら、公害や社会不安といった背景にも触れて綿密な考察が行われている点は秀逸の一言です。そして、「当時の大人たちがしきりに懸念していたように、たしかに当時の子供文化は『歪んでいた』という言い方ができるだろうし、要するに異常だったのだと思う」と結論しています。

ある意味で「世界の滅び」と密接だった少年時代が、今の昭和40年男に与えた影響とはなんだったのか。ぜひ読んでいただきたい論考となっています。ということで、昭和40年男の最新号 (vol.43)『俺たちの死生学』特集号は全国の書店・コンビニにならんでいます。ぜひ手にとってみてください。
 
 

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2件のコメント

  1. 書き出しの、この数字はは、もしかして、この数日はですか?

    • その通りです。ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。

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