ここ数日の間に、体調不良やら何やらが急激に押し寄せてきまして、いやはや変な汗が出まくりで参りました。本誌の健康講座取材で乳酸菌の力を知って以来、ヨーグルトを欠かさず摂取するようになってからというもの、一度も風邪をひいたり体調を崩すということがないままきていたのですが、久しぶりにダウンしました。きっと乳酸菌が不足してたんだな。
ということで最新号が発売されました。テーマが「死生学」だったので、重~い内容だと敬遠されてしまわないか心配だったわけですが、今のところ喜んでいただけている報告が多いようで、とりあえずホッとしています。今日はそんな特集のなかからこの記事をご紹介します。
きっと昭和40年男なら誰もがご存知であろうマンガ『ブラック・ジャック』です。本誌の表紙では、そのテーマを感じさせつつも、軽快な雰囲気を醸し出してくれたブラック・ジャックでしたが、実は昭和40年男たちにとって、少年時代にズドンと重苦しいテーマを突きつけた作品でもありました。
昭和40年男たちが小学生の当時、秋田書店発行の『週刊少年チャンピオン』はまさに飛ぶ鳥落とす勢いで、大変な人気コミック誌でした。その一翼を担っていたのが本作なわけですが、実は本作連載前の手塚治虫さんは、劇画ブームなどの影響もあり、過去の人と受け取られるような状況になっていました。本作自体も実はさほど期待されていなかったといいますから、その事情を知らない今の我々からすると、大変驚かされます。つまり、手塚さんが少年週刊誌の第一線に復帰する起死回生の一打となったのがこの『ブラック・ジャック』だったのです。
他の『チャンピオン』連載作品と同様、毎回読切で展開された本作ですが、他作品と比較して明らかに異なっていたのが、その終わり方です。著者の福積さんはこう指摘しています。「せっかく助かった生命を自ら絶ったり、つまらない理由で殺されてしまったり、不条理極まりないやるせないラストも多かった。そして後味の悪い読後感でいっぱいになり、割り切れない思いだけが残ったのだ」。もちろんハッピーエンドの回もあるのですが、複雑な社会の事情、人間関係、不条理さを感じさせるラストが実に多いのも事実です。そうしたエンディングを容赦なく少年誌で見せつけるところが今思うとすごいことなのですが、子供たちには到底受け止めきれない内容もあったでしょうから、その衝撃にトラウマを抱えたという子供もいたかもしれません。
そんな本作がどのような背景からスタートしたのかを知りたい。編集部では、生前の手塚さんをよくご存知で、マンガ編集者・マンガ家両方の経験をもち、現在はマンガ評論家やマンガ塾の講師として活躍中の飯田耕一郎さんに話を聞いています。今や名作との評価が揺るぐことのない本作ですが、なぜこのような衝撃作が生まれ、送り届けられたのか、そして読み手は本作に何を感じたのか。飯田さんの分析、書き手の福積さんの鋭い考察と共に、今あらためて本作の”すごさ”がよみがえります。
ということで『昭和40年男』2017年6月号は、全国の書店・コンビニで好評発売中です。ぜひ『ブラック・ジャック』の記事を読んでみてください。