トヨタのCMで、クイーンの懐かしい曲が採用されてますな。デビューアルバムに収められている『キープ・ユアセルフ・アライブ』で、アルバムのド頭を飾る名曲である。曲の懐かしさと一緒に思い出すのが、カセットテープ生活だ。
中坊にとってレコードを買うのは清水からのダイブだ。聞きたいアルバムがたくさんありいつもハングリーで、そんな飢餓状態を緩和してくれるのがラジオだった。昭和40年男はラジオ世代であり、エアチェック世代である。そんな僕をおおいに喜ばせてくれた番組で、ひとつのバンドやシンガーにあててデビューアルバムから数曲ずつをチョイスしてくれるスーパープログラムがあった。番組名は記憶にないが、多くのミュージシャンたちを身近にしてくれた。
各アルバムから名曲ばかりをチョイスしてくれる番組のおかげで、かえってアルバム購入を躊躇することもあった。レッドツェッペリンの例えば4枚目からは『ブラック・ドック』と『ロックンロール』、そしてもちろん『天国への階段』がチョイスされ、さんざん聴き込んだ。4枚目は傑作といわれるがこの3曲を知り尽くしているのにあと5曲のために投資ができるのかと自問自答ばかりを繰り返してしまう。といった具合で、助けていただいた番組ながら余計なお世話じゃと文句を言ったりするバカモノだった。
長い長い前ふりとなったが、この番組がクイーンを取り上げたとき、放送のド頭は『キープ・ユアセルフ・アライブ』だった。この番組のよさは、アルバム順に曲順も若い方からチョイスする。てなわけでツェッペリンではファーストのA-1の『グッド・タイムズ・バッド・タイムズ』である。双方、中坊のハートを粉々にするには十二分な曲じゃないか。これらのテープはまさに伸びちまうほど聴き込んだ。残念だったのは『キープ・ユアセルフ・アライブ』の録音開始をミスってしまい、僕にとってあのかっちょいいイントロはアルバムを買うまで数秒切れていたのだ。そんな記憶も伸びちまうほど聴いたからスッと思い出す。
1973年にリリースされた『キープ・ユアセルフ・アライブ』が古さを感じさせずトヨタのCMで流れている。そんな現象に、僕らはつくづくいい時代を生きたと思えてならない。
その番組、もしかしてNHK FMの「軽音楽をあなたに」じゃないですか? ここに書いてある通りの選曲や曲順でしたけど。
僕は確か中三で、技術家庭科で作ったAMラジオしか持ってなかったから余りFMは聴かなかったんですが、ツェッペリン特集とクイーン特集を続けてやると言うから、ソニーのCHFの120分(貧乏中学生の選択)を二本買って応接間のステレオの前に陣取ったんです。
高校に上がってから、確か同じ番組でプログレ特集と称して「クリムゾンキングの宮殿」「展覧会の絵」「危機」「原子心母」から抜粋でやった事があって、あのときはBHFに進歩してたなあ。
『キープ・ユアセルフ・アライブ』、日本では人気がある割りに世界的には扱いが軽い印象がありますが..
貴重なコメントありがとうございます。そうかもしれません。その番組名に聞き覚えがありますよ。
ジャパンもやりましたよね。
初めてコメントします昭和40年生まれの者です。
トヨタのCMでの『キープ・ユアセルフ・アライブ』の使用方法は面白いなぁと思いました。
第一段階がギターオーケストレイションの間奏を短めに。
そして第二段階で御馴染みの歌部分が。
“この車を欲しがる年代なら何の曲かわかるはず!”という狙いなのか…とにかく超メジャー曲だからこその演出ですよね。
…ところでこの曲、邦題は『炎のロックンロール』…意味不明ですよね~(笑)
初めてのコメントありがとうございます。かつての邦題文化は素晴らしいの一言です(笑)。同じクイーンで『愛という名の欲望』とかもいいですよね。