僕のギターコレクションは安物ばかりだ。先日のライブで使った僕のメインとなるテレキャスターのコピーモデルは、定価50,000円の25%引きで手に入れた1本だ。高校の入学祝いのストラトキャスターのコピーモデルは、両親に交渉に交渉を重ねてつり上げた定価80,000円のフェルナンデスである。その他も国産のコピーモデルばかりが並ぶ中でこいつだけが唯一の舶来品だ。
衝動買いだった。前日にNHKホールでジョン・リー・フッカーのライブを観たことが金欠の僕を動かした。タメ年諸氏にはあまり馴染みのない名前かもしれない、ブルースの巨人である。映画『ブルース・ブラザース』でかっちょいいストリートシーンを演じているといえば「ああ、あの人」と気付く方もいるかも知れない。
僕は高校時代よりひどいブルース中毒になってしまった。好きなミュージャンからそのルーツを掘っていくのは、僕ら世代の音楽好きは頷く方が多いだろう。クイーンから始まった洋楽ライフはやがてその入口を否定するほどヤバイ方へと向かっていった。その墓場がブルースだ。
本物のブルースに生でふれられると興奮しながら出かけたこのライブが、いまだに僕の人生においてのベストだ。18歳の僕を粉々にした上、翌日の朝にはお茶の水へと足を向けさせ、居酒屋でバイトに励む若者の財布まで粉々にした。そうして手に入れた宝物がコイツである。先日久しぶりにケースを開けてかわいがった。箱ギターだから重量は軽いはずが、ずしりと重く感じるのは安物のギターしか持っていないからだろう。
コピーのフェンダー系ばかり持っている僕にとってギブソンは女性だ。美しいボディは…、って変態ぽいからやめておこう。たまにこうして引っ張り出すとうっとりできる最高のコレクションである。いやいや、常に居間にいるメインのテレキャスターのコピーモデルにもちょくちょく話しかけているのだからつくづく変態だな(笑)。
>ギブソンは女性である!
そーです!
>話しかける
当然!話をしてます!
そーです、私も変態です!(笑)
同意いただけてありがたい。互いに変態道を邁進しましょう。