毎年12月に僕が奮闘する業界の一つでパーティがあり、そこでステキな余興がある。宴が盛り上がってきた後半に業界人とミュージシャンが入り混じった生バンドが登場して、我こそはという参加者がこのバンドをバックにして歌を披露するのだ。元々はこのパーティの参加者だった僕だが、数年前にスカウト (!?) されギタリストとしてメンバーに迎え入れてもらった。
参加者が歌う前にバンドとしての演奏を数曲披露する。このオープニングのヴォーカルを数年に渡って任せてもらっていて、映画『イージー・ライダー』の主題歌でステッペンウルフの名曲「ボーン・トゥ・ビー・ワイルド」やストーンズの「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」なんて得意のナンバーを披露させてもらった。そして去年のこと。ここのバンマスは『ブルース・ブラザース』をこよなく愛していて、彼より「『監獄ロック』歌える?」との発注を受け、歌詞を覚えるのに四苦八苦しながらなんとか仕上げた。今年は去年同様「『スウィート・ホーム・シカゴ』歌える?」ときた。「監獄ロック」にしろ「スウィート・ホーム・シカゴ」にしろ、傑作映画にとってなくてはならない曲だ。バンマス同様この映画を愛する僕にはうれしい発注である。ブルースを歌うのは得意中の得意で、しかも『ブルース・ブラザース』バージョンの「スウィート・ホーム・シカゴ」は歌詞がカンタンで去年のような苦しみがなく、本番が楽しみでならない。
こんな十八番 (最近使わないね) ナンバーがある一方で、参加者のリクエストでヘヴィメタルが1曲入っている。ステージでメタルギターを弾くのは高2以来だ。これがまさしく悪戦苦闘で、ピッキングする右手が一曲もたなかったりする。ソロはコピーを諦めて、アドリブでやらせてもらうことをご了承いただきなんとか乗り切ることにした。さらに難曲だと思われたのが八代亜紀さんの「舟歌」だったが、思ったよりカッコいいプレイに仕上がりそうなのは青春時代に聴いた曲だから染み付いているのだろう。先日取り上げたスーパートランプの「ブレックファスト・イン・アメリカ」と同じ年のヒットで、俺たち世代にはセンスのいいポップスと演歌の両方がバランスよく染み付いているのだね。混沌とした音楽シーンをリアルタイムで生きた恩恵ですな。
舟歌はなんだか渋そうなアレンジになってそうでカッコ良さそうですねー。
>混沌とした音楽シーンをリアルタイムで生きた恩恵
超感じますよね! ロック、歌謡曲、ヘビメタ、ブルース、AOR等々あらゆる分野の名曲が街中で流れていたものです。