名作、ブルース・スプリング・スティーンの『明日なき暴走』を入手した。僕にとってはロック部門のベストテンアルバムに堂々とチャートインする1枚だ。昭和50年のリリースだから俺たちは10歳だった。最新号の表紙を飾ってくれた岩崎宏美さんは『ロマンス』を歌い、西城秀樹さんは『恋の暴走』なんかを歌っていた年で、洋楽なんてまったく未知の世界だった頃のことだ。
全曲が名曲である。収録時間は40分に満たないから、CD時代から考えるとずいぶんと短いがみなぎるパワーや込められている情熱などが、十分お得に感じるほどに詰まっている。奇跡と言いたいアルバムの1つでもある。
最初にコイツを手に入れたのは高校時代で、彼女からのクリスマスプレゼントだった。カセットテープで聴き込んでいたが当然ながらパッケージがほしかった。だが、貧乏だった僕はどうせ買うなら聴いたことのないアルバムを選ぶ。欲しいんだけど全曲すでに聴き込んでいるのだと愚痴っていた僕に、彼女が動いてくれたのだ。スゲー、うれしかった。
2枚目は当然ながらCDで聴きたくなって買い、さらに紙ジャケにも心を揺さぶられて所有している。さらに今回はこのアルバムを引っさげてのツアー映像が決め手になった。発売になったのは去年で、買い忘れていたのをショップで見つけて「そうだっ!」とレジに運んだ。たまっている大河をぶっ飛ばしてさっそく映像を観た。映像自体はそれほど高いクオリティではないが、ライブで歌う『明日なき暴走』ワールドは涙がチョチョ切れる。スタジオ盤よりもしゃがれた声で歌うオープニングはスタジオ盤と同じく『涙のサンダー・ロード』だ。この演奏でいきなりガツンとやられ、そのままラストまで凄まじいまでのパワーで歌いきる。エネルギーの塊がズバズバと投げ込まれる感じだ。
僕は幸運なことに1988年のライブを目撃している。ピーター・ガブリエル、トレイシー・チャップマン、ユッスー・ンジゥールとともに来日し、迎える日本代表は竜童組だった。5組とも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれ、トリを飾ったブルース・スプリングスティーンに大興奮したのは言うまでもない。今回のパッケージは遠いあの日を思い出させてくれるのに十分の出来映えだった。
さらにさらに、CD音源が付いていて初のデジタルリマスターとのことでこちらはまだ聴けていないが楽しみである。それにしても4枚も買わされるとは。バカな俺です。
盤を買う文化が染み付いている以上,型番違いでも「買い!」ですかね。
このDVDスゲーよかったですよ。『真田丸』が進まなくなるくらいです(笑)。
うん、うん。
まさに名盤です。-_-b