先日、音楽仲間との酒席でこんな質問を受けた。「一番好きなギタリストは誰ですか」と。これは難しい。ただ、この手の会話はよく酒席で展開されては盛り上がる。一番好きなバンド、一番好きなアルバムとか。音楽にまつわる好みは、その時々によって微妙に変わったりするもので、熟考するのが楽しくもありしばし時間をもらった。ストーンズのキース、ザ・バンドのロビー・ロバートソン、ジェフ・ベックにクラプトン、ジョージ・ハリソンにジョン・リー・フッカー、フェイセス時代のロン・ウッドなんて、次々と名前が出てくる。
ギターを弾き始めた中1の頃は断然クイーンのブライアン・メイで、その後パープルのリッチー・ブラックモアに移り、ツェッペリンのジミー・ペイジに永遠を誓ったはずなのに、あっさりとエアロスミスのジョー・ペリーになった浮気者のティーンズ時代だったのも懐かしい。そしてひねり出すように「ヘンドリックスかな」と答えた。「おーっそうか」とご一同。そしてジミ・ヘンドリックスについてのみなさんそれぞれの考えが展開されてますます楽しくなる。
僕の脆弱なライブラリーに彼の作品は欠かせない。その中でも初めて買ったのが『天才ジミヘンドリックスの生涯』である。金欠に苦しみながらも新品を買おうと決めてそれこそ悩み抜いてここにたどり着いたのは、映画のサントラということでベストアルバムに近い選曲だったからだ。対抗は多くのプロミュージシャンや評論家がロック史上に永遠に語り継がれる傑作だとする『エレクトリック・レディ・ランド』だった。
迷った末に手に入れると一目散に帰宅して興奮しながら針を落とした。描く夢がギタープレイヤーからヴォーカリストへと取って代わる以前のことで、ヘンドリックスは聴かなくてはならないプレイヤーだった。そしてまだギターを弾き始める前のこと、『パープル・へイズ』はまさしく僕を音楽の世界へと導いた曲だった。
高校卒業を記念した大規模の自主ライブでは、『パープル・へイズ』をハイライトに持って来た。僕よりうまいギタリストがいたものの、この曲だけは僕にメインを弾かせてくれ、写真のギターで狂ったようにプレイしたのがまるで昨日のことのようだ。
ジミヘン談義となったこの酒席の後、久しぶりにアナログ盤に針を落とした。心に突き刺さる魂のプレイは今もまったく色褪せることがない。どんなに世の中が変わろうが永遠に語り継がれることだろう。
ブライアンはブライアンでもブライアン・セッツアーも好きです。
こういう話は同じ40年生まれ同士でも様々あって面白い!
私はレッチリのジョン・フルシャンテのギターにやられた口です。
あ、入り口は中学時代に聴きまくったジミー・ペイジ。そしてヘビメタ経由でなんでも聴くように。
ちなみにヘビメタは好き嫌いはともかく、40年生まれにははずせないカルチャーだったかと思いますので、ぜひ取り上げていただきたいです。
それにしても「生まれ年」で斬るエンタテインメントってのはホント面白い!
俺もやっぱりジミヘンかなぁ〜
一生勝てない年下やね。
あとは、ドクター・フィールグッドのウィルコ・ジョンソンのカッティングと腕ブンブン回してた頃のピート・タウンゼントは今見てもカッチョいい!
一生勝てない年下とはさすがなフレーズですね。年下と思えないのは、ジャニスやオーティスも同様ですな。
そしておっしゃる通り、ウィルコ・ジョンソンもマイベスト10に入ります。