一昨日このブログで、ホンダの熊本製作所が完全復活した記者会見に出かけたことを書き、2年連続で同じ日に熊本に滞在した奇跡のことにふれた。帰ってきた今日は去年の滞在目的のひとつ、全日本ロードレース取材会場である『オートポリス』担当者が来社してくれたのだから、なんだか神ってるではないか(笑)。熊本から県境を少し大分に入ったところにある国際サーキットが『オートポリス』で、やはり大きな被害が出た。レースやイベントが完全に止まったままだったが、10月より営業を始められるメドが立ったとのことで、その報告にいらっしゃった。
被害は甚大だった。コース上に大きなひび割れができてしまい、その修復に手こずった。というのも、ライフラインなどの修復に資材や人が優先して投入されるのは当然のことで、一時は年内いっぱい無理かもしれないとささやかれていたから、ずいぶん前倒されたことになる。バイクの全日本ロードレースについては今年開催分は間に合わなかったが、11月にある四輪の大きなレースは開催できそうだとのことで、担当者の顔は緩みっぱなしだった。
彼とはかつて同じ仕事をした仲だ。カワサキのイベント関連部署の長を長く務め、多くの議論や努力を重ねた。オートポリスはカワサキのコースで、栄転のカタチで移ってしまったのはつらい別れだった。以来、じっくりと話すことはなかった。今年の鈴鹿8耐では、僕が祝杯をあげていることを見越して電話を入れてくれたりするニクイ男だ。今日は久しぶりにじっくりと話した。同じ方向を見て戦ったシンパシーが強く、会話は弾んだ。実は今日は、僕にしては極めて珍しいことにちょっと凹んでいた。そんなところに戦友が来社してくださることも神ってるじゃないか。すっかり元気を取り戻せたのだった。
この歳になるとそうした戦友との語らいが心にものすごく効く。リタイヤなさった男たちがそば屋なんかで昼呑みしながら語り合っている姿を見ることがあり、うらやましく憧れる。当時の仕事を語り合って大声で笑い合うのは、それだけ仕事に燃えた証だ。僕らも年内に一杯呑る約束をした。よき戦友の存在は“俺たちの宝物”ですな。