夏が過ぎ〜なんて曲が似合ってしまう今日この頃。夏好きの僕は夜な夜な枕を濡らし、つい先日眼前に広がったこの夏空写真を眺めてはセンチメンタルジャーニーなる。
この夏に大きな感動をくれた出来事が2つある。1つは人生初の高校野球観戦だ。目当ての甥っ子は登場機会がほぼなく残念だったが、想像していた以上に興奮させられた。キビキビとグランドを駆け回る球児たちに、懸命の応援が注がれる。エールの交換なんて感動的なシーンを見たのは中学時代以来じゃなかろうか。この僕がビールを所望しないほど神聖な場所に感じた…、って売ってなかったけど。2試合に付き合い、最後の試合となった準決勝に彼の出番はなかった。それでも終了後、高校生活を野球に注いだ努力に対して「よく頑張ったな」と声をかけると、それまで必死にこらえていた甥っ子が不覚をとった。そう、頑張ったのである。その姿を見てもらっちまったのは言うまでもないな。
もう1つの感動は『鈴鹿8耐』でカワサキが見事な2位完走を果たしたことだ。つい先日ささやかな打ち上げがあり、感動が胸に蘇った。長いこと遠ざかっていたカワサキが一昨年に復活を果たした。メーカーの看板を背負ったからって、そうそうカンタンに表彰台、ましてや優勝できるわけないのは頭ではわかっちゃいるが、感情は強く期待してしまう。その裏返しのように、ネット内でミスしたライダーへと言葉の暴力が注がれた。僕でさえ胸が痛くなるのに本人はさぞつらかっただろう。そんな誹謗中傷に負けず、見事な結果を残した。石の上にも3年とは言うが、『鈴鹿8耐』にそんな言葉は当てはまらない。どんなに準備が順調だったとしても、ほんの些細なミスやトラブルでそれまで積み上げたすべてが終る。今年もホンダからの有力チーム2つがリタイヤとなった。ノントラブルの完走はラッキーだと言っていい。
と、そんな冷静な打ち上げになるはずはなく集った一同は美酒に酔った。ライダーほどの努力を積み上げた訳でないが、美酒を味わえるくらいの奮闘はしてきた面々だ。僕のミッションはファンブースを盛り上げるためのMCだったから、パワフルに全力で取り組めるように走り込んだ。汚いおっさんながら少しは見映えが良くなるようにと体も絞った。でっかい舞台に向けて緊張を味わいながら過ごした日々だ。ブース運営はこの日集った面々を含むスタッフの努力や、一緒に声を張り上げてくれたカワイイ女の子たちのハートフルな仕事のおかげで、満点とは言わないまでも上々の出来映えだったと思う。
2位という結果と相まって終礼では不覚をとった。それも当然だと胸を張っていい感動だった。とはいえ、世の中には感動があふれていてホンのちっぽけなひとつに過ぎない。人はそれを積み上げながら前に進んでいく。ちっぽけとは理解しつつ、少しでもでっかいものにしようとつらくても傷だらけになっても走る。夏はその走りを応援してくれる季節だ。なあに、年がら年中夏の心で走ればいい。そうそう、タメ年の民生さんは『風は西から』で「心はいま赤いぜ」と歌っているぜ。