東京都の超下町、荒川区三河島で育った僕にとって渋谷や原宿などといったオシャレタウンが苦手な少年時代を過ごした。上野、浅草、秋葉原、お茶の水あたりに出かけることばかりだった僕が、少しずつ苦手意識を払拭できたのはライブハウスに出演するようになったからだ。渋谷、原宿、新宿辺りには今も当時のまま残っているライブハウスが多い。さらに18歳のときにナウでヤングな渋谷でバイトしたことも大きかった(そば屋だが・笑)。バイト帰りに渋谷をウロウロしたり、呑みに出かけたりすっかり好きな街になった。
先日渋谷のロフトにでかけてきた。ヤマハが電動二輪車『E-Vino』の展示会を開催していて、その初日に様子を見に行ったのだ。考えてみるとロフトは久しぶりだ。昔はよく寄ったものだが、かれこれ20年以上ご無沙汰だろう。10代の頃に初めて入ったときはパラダイスだと思った。なにを買うわけでないが、眺めているだけで楽しくなってくる。ウィンドウ・ショッピングってヤツを知った施設だ。相変わらずいい客層を引っ張り込んでいて、その企業努力にあらためて敬礼した僕だ。
そんないい客層を狙っての体験イベントだ。担当者に話を聞くと、当然ながら若者達に少しでもバイクの世界にふれてもらうことを目的としてこの場所に目を付けた。夏休みが始まったばかりだからきっとその効果は高いだろう。こんなおっさんは相手にしたくないはずだが、親切にご対応いただいた。
ヤマハは電動二輪車への取り組みが深くて長い。2002年に商品化して以来、これまで常にリードしてきた。今回のプロモーションの主役はその4代目の『E-Vino』で、オシャレなボディはかつて「ウチから5キロの大冒険」のキャッチコピーでパフィをCMに起用して大ヒットしたモデルだ。街の女の子たちが飛びついたモデルで、ロフト同様とまでいかないかもしれないが今も若者達にアピールし続けているブランドだ。電動技術もついにこうしたオシャレなモデルに採用できるところまできているのだ。
おっさんにとっては驚愕するしかないことに、最近の若者はガソリンスタンドが嫌だとのことだ。セルフが増えたせいもあるそうだが、なんとなく敬遠しがちだと。そこでバッテリー充電式の『E-Vino』で需要を掘り起こさなければとなるわけだ。努力を続けるのはどの企業も一緒で涙ぐましい。苦しくったって続けていかなければ明日がこなくなっちまう。ホントに苦労の多い時代であるが、これはこれでおもしろいととらえて奮闘するしかないな。