昭和40年男の習い事。

家の近所に学習塾があり、先日夜遅めに通りかかったら小学生と思われる幼い子たちが20名ほど出てきた。ちょうどこの日のカリキュラムが終ったのだろう、笑顔で帰路につく少年少女たちだ。その姿に僕は少々違和感を感じてしまった。

エリアによる差異は大きいかもしれぬが、僕らが小学生の頃は習い事であふれていた。今の子たちは小学生から学習塾に行くらしいが、僕ら世代は圧倒的に手に職を付ける(!?)系だ。ソロバン、習字、絵画、ピアノのどれかに取り組んでいる者が多数を占めた。僕は2年生の頃よりソロバンを習いに行かされ、最高の級をクリアして段なんて領域にまで登った。今思うと怠け者の僕がよく親の勧誘にのったものだ。いずれ家業を継いで商店を営むからという諦めもあったように思う。だがおかげで小中学時代の数学系は強かったのと、なにより社会に出てからは恩恵が大きく親に感謝するばかりだ。数字にアレルギーがないのと暗算は、仕事でおおいに役立っている。

剣道もう1つ親にまんまとのせられたのが、小学校4年生から始めた剣道だった。中3まで続けて毎年夏になると武道館で大会があり、代表には選ばれるものの1勝もできなかったのはちょっと悲しい想い出だ。ただ、大会へと向けて厳しい特訓をした日々は今も胸に強く刻まれていて、夏に汗をかくのが大好きな根源になっているように思う。夏の大会は都内の警察剣道に通う少年剣士たちのために開催されるものだ。つまり僕は警察に通っていた。バイクに乗るようになって苦手になった警察官だが、当時はいいおじさんばかりだった。最近になってあの夏の日を思い出しながら思う。まだ体が動くうちに剣道の稽古を再開したら、きっと心身ともにすばらしい成果を得るだろうなと。なんてことで、書店のこのコーナーに立ち寄る日がめっきり増えた。

我が地元では、中学生になっても学習塾に行く者は少数派だった。現代は前述のとおりの盛況を見たり、小学生を子に持つ同世代男たちは塾通いさせていると口を揃える。その上習い事もさせている者が少なくない。比べれば我々世代の小学校時代は暇だったなあ。「ああ、助かった」とつぶやく昭和40年男である。

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2件のコメント

  1. 懐かしい限りです。
    私も小2からそろばん(珠算)塾、ヤマハ音楽教室へ入れられ、
    珠算は3級まではクリアしたものの、
    小4で、マジンガーZが見たい、見せないで親とケンカして自然退塾となりました(苦笑
    中学では、進学校を目指す友達は進学塾へ、そうでない者はこっそりと通信添削(進研ゼミ)へ(笑)
    かくいう私は中3のラスト半年だけ、トレーニングペーパーとかいう通信教育してました。
    今は、ダンスだフランス語だテニスだ空手だ絵画だ、、、多岐にわたりますね。

    • マジンガーで退塾とは、わかるようなわからんような(笑)。そうそう、進研ゼミやってるヤツも多かったですね。

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