渋谷で見つけた昭和の元気。

門いつも気になっていた渋谷の老舗バー『門』に初めて入った。夜9時過ぎの店内は若者から渋い紳士淑女まで、まさしく老若男女でごった返していた。昭和24年にオープンしたという店内は、昭和の香りがプンプンしておっさんには居心地がよい。ただ、バーテンダーがイケメンの若者ばかりだったのがちょっと残念だった。蝶ネクタイの爺さんがシェーカーを振っていると期待していた僕だ。

これまで幾度となく入るチャンスがあったのになぜか縁遠かった。今回は渋谷のオーチャードホールでチャーさんを観た帰りに連れと寄った。この日は終了後の渋谷の夜を楽しんでくれとのメッセージなのか、夕方5時開演だったからこうして初入店になったのだ。いかんせんここに来る前にしこたま呑んでいたから共に一杯ずつで店を出た。次回はもう少しじっくりと昭和の空気にふれたいものだ。

長く続いている店には魂が宿るというか不思議な雰囲気を醸し出す。まるで生き物のように感じるのは、集う人たちが血液のような役割を果たして、極々僅かずつ店に色をつけていくからだと常々思っている。店の個性が客を呼び、その客によって店はイキイキとしていく。ここの客たちは笑顔であふれていて、ノスタルジーだけでなく明るく元気な昭和の雰囲気を作っていた。僕よりも16年も先輩ながら元気いっぱいの店だ。

戦後復興期や東京オリンピック開催に向かって作られた様々な施設が曲がり角を迎えているのはご周知の通りで、今後莫大な資金が必要になって来る。そんな時代を迎えている日本だが、国家も同じくそこに住む人たちが僅かずつカタチを形成していく。この店のように笑顔であふれるようにしたいものだ。そこへ向けて我々世代が背負っている責務は重い。とはいえ大きく考えなくともいい。人それぞれに明日へと突っ走ろう。そしてガハハと笑おう。笑う門には福来るじゃ!!

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