昨日のブログに、新聞広告でマイケル・シェンカーの来日を見つけたと書いた。そのはす向かいには、こうしてマイケル・シェンカーよりもでかくカラーでクイーンの来日公演の広告が展開されていたのだ。昭和40年男のティーン時代を刺激した両雄が、いまだに現役なのはあらためて敬意を表する。
マイケル・シェンカー同様、クイーンの音楽と出会ったのも『ダイヤトーン ポップス・ベスト・テン』だった。この番組がなかったら今の僕はないかもしれない(笑)。情報は這ってでも見つけなければならなかった古代(!?)に、DJのシリア・ポールさんのレコメンドはいつも集中して受け取ったものだ。
番組を聴き始めた昭和1978年暮れのビック企画、年間ベストテンで僕はクイーンの虜になった。『イッツ・レイト』と『伝説のチャンピオン』がランクインされていた。ミュージックライフの人気投票でもダントツの1位を誇っていて、人気と実力を兼ね備えたスーパーバンドと受け取ったのだ。生まれて初めて自分の小遣いで買ったのは、中1当時の最新アルバム『ジャズ』だったし『ザ・ゲーム』と『フラッシュ・ゴードン』のサントラまで、すべてのアルバムを買いそろえたほどのジャンキーだった。
だが残酷なもので、高校に入るとすっかり冷めた。華美なサウンドに嫌悪感まで持つようになったバカな僕だった。中学のときに好きだった音楽をほぼすべて否定し始めたのは、黒っぽい音楽に魂を奪われたからだ。ジミ・ヘンドリックスやオーティス・レディングといった超絶ミュージシャンに目覚めてしまい、やがてブルースと出会って僕は廃人になった。
やがて徐々にそんな極端な見方はしなくなる。クイーンにはクイーンのすばらしさがあり、ヘンドリックスにはヘンドリックスのよさがある。ライトニン・ホプキンスやハウリン・ウルフなんてドロドロのブルースは、油断すると魂を持っていかれるからほどほどの付き合いにすればいい(笑)。と、すっかり大人になった僕は一時期まったく聞かなかったクイーンのアルバムをCDでほぼ買いそろえ、フレディのラストスタジオ作品となった『イニュエンドウ』はお気に入りの1枚となっている。
マイケル・シェンカーとともに、来日公演に行くべきかと悩ましい今日だ。ヴォーカルのアダム・ランバートは2014年の『サマー・ソニック』でもクイーンとともに来日している。フレディとはタイプが異なるが、クイーンのフロントを務めるに値する超絶な歌うたいでありパフォーマーだ。さてどうしよう。1つだけ言えばアダム・ランバートは1982年生まれ。僕がクイーンから心がはなれていた高校生の頃に生まれた男だ。ひと回り以上かあ…、ウーム。