「今日は暑いからもりそばかな。夏も近いからすこし体の線も意識しなくちゃ」と昼飯に出かけた。いつものそば屋へと歩いていると、なぜか無性に揚げ物が食いたくなった。ダイエットは明日からでいいやと向かったのはちょくちょく世話になる居酒屋だ。いかにも昭和な店で、ランチもご覧のとおり居酒屋っぽさ満載である。ベジファーストを心がけているおっさんには大盛りキャベツと野菜たっぷりの豚汁がうれしい。揚げ物だとエビフライ、鯵フライ、そして僕がチョイスしたメンチカツ定食がラインナップされている。大きめのメンチは上品さとは無関係だぜとでも言いたげにしっかりと油をまとっていて、胃袋にガツンとくる。
僕がこれを頬張っていると20代前半と見える若者が6人でやってきた。小じゃれた男の子たちは近くの会社勤務で常連なのだろう、全員が迷わずメンチカツ定食をオーダーした。若者たちと同じメニューでエネルギーチャージしているおっさんはちょっぴり鼻高々な気分だ。なんて喜んでいるのはつくづく50歳だなあ(笑)。だが異変が起きてしまった。なんとメンチカツ定食が3つで品切れとのこと。前途ある若者の1人でも多くに肉を食わせたかった。枯れたおっさんには焼き魚定食でもいいじゃないかなんて、今度は少々申し訳ない気分になってしまった。
若干の後ろめたさでそそくさと完食して店を出ようとした。するとこんないい写真が目に飛び込んできたのだ。今まで何度も通っているというのに気が付かなかった。昭和10年といえば親父が3歳でお袋にいたっちゃ影もカタチも無い頃。そんな昔から営業していたことにうれしい気分になった。なんとも気持ちの起伏が大きな本日のランチは700円で、それを含めてコストパフォーマンスに大満足した。
さて、このガツンとくるおっさん向け定食を食うための不親切ガイドだ。浜松町駅より増上寺へ向かう途中に大門の交差点がある。その周辺で表通りに面したいかにもおっさん好きな面構えの店で、ランチ時はサンプルが置いてあるからすぐわかるはずで、発見難易度は低い。胃腸の調子を整えてガツンとくる揚げ物にチャレンジだ!!