昨日の『浅草秘密基地』も毎度のごとくバカバカしく盛り上がった。それにしてもまさか『笑点』の話で皆が熱くなるとは思わなかった。僕だけが特別なおっさんだと思っていたが、50歳過ぎると高齢者の仲間入りをするのだな。今やマンモス番組と呼ばれるほどの視聴率を誇り、それを支えるのは日曜日の夕刻にダラダラとテレビを楽しむ層だ。視聴率ランキングは日曜日の番組の多くが上位を占めていて、ナウでヤングなヤツらに向けた番組よりも高齢者とお子ちゃま向けに軍配が上がる傾向にある。そのもっとも顕著なのが『笑点』で、大相撲の場所中は視聴率がグーンと下がってしまうのは双方究極の高齢者コンテンツであり、僕はこよなく愛している(笑)。
昨日の話題をさらったのは昇太さんの司会っぷりでも、たい平さんの24時間マラソンチャレンジでもなく、三平さんの起用だった。ハッキリと言ってしまえば大不評だった。番組側の意図と我々おっさんの意識が乖離しているのだから仕方ない。視聴者ってのは勝手極まりないもので、しかも酒が入っているのだからなおたちが悪い。いろんな否定話が出たものの根幹にあるのは、僕らより若い人が初めて起用されたことじゃなかろうか。50年続けてきた番組が、とうとう俺たちより下の世代にターゲティングしたことがどうもおもしろくない。と、そんなタメ年たちなのだ。
大河の話題にもなって、三谷幸喜さんの脚本は参加者一同理解を示している。幾度となく、そして手を替え品を替え展開してきた戦国ものをあざ笑うかのようなぶっ飛んだ展開は、我々より上の世代の大河ファンは否定するのではなかろうかと心配してしまうが、どうやら昭和40年男のハートはつかんでいるようだ。少し前に、NHK朝の連ドラで宮藤官九郎さんが起用されたときは、それまでの連ドラファンを多く手放したはずだ。実際そんな声も多く聞いた。が、見事に新規ユーザーを獲得して結果は高視聴率を勝ち取った。おかげでその後に続く連ドラは、古いファンに『あまちゃん』から朝の習慣となった新規ユーザーが加わって、容易に高視聴率を取りやすくなった。すばらしい効果を生んだと僕は睨んでいる。今回の大河も50年以上見続けている方々は離れてしまったかもしれないが、『あまちゃん』同様に新規層がいるように思える。少なくとも『浅草秘密基地』ではその傾向が見られた。
さてさて、三平さんで同様の効果が生めるだろうか? すでに高齢者として『笑点』を支える昭和40年男たちには今のところ旗色が悪い。時間が解決する部分もあるだろうから、頑張れ三平さん。