俺たちのキャンディーズ。

連載特集である“夢、あふれていた俺たちの時代”。5/11発売予定の次号では
昭和52年を取り上げている。なかでも大きく取り上げる予定で進行しているのが
キャンディーズである。この年、昭和52年は突然の解散宣言があった年で、そこ
から翌年の解散コンサートまでの盛り上がりというか騒ぎというかは、記憶にも
鮮明なのではないだろうか? その辺りのストーリーにフォーカスしながら様々な
要素を加えて制作に取り組んでいたのだが、みなさんもご存知の通り、突然の
訃報が入ってしまった。残念である。

こうしたときに多くのメディアが取り上げ、知らなかった事実が多く浮かび上がる。
痛々しくも驚愕にも感じたのは、19年に渡る癌との闘いを芸能生活をしながらに
して貫いたこと。さぞつらかっただろうに、そんな姿をまったく見せることなく明るい
笑顔を見せていたのだ。どうしたらそんなに強くいられるのだろう。比べると自分が
情けなくなる。

印象的に思い起こされるのが、キャンディーズ解散後の復活記者会見である。
「普通の女の子に戻れなかったのか」というようなことを聞かれ、「普通の女の子
なのになあ」と困惑しながら対応していた。芸能マスコミ得意の上っ面な質問に、
まだ20代前半の女の子が真剣に発した言葉だった。

もちろん大ファンだった僕個人の想い出としては、お楽しみ会で女装して歌った
『年下の男の子』での笑いの渦だね。クラス中の想像以上のウケ具合に、僕
たち3人も耐えられなくなって笑い崩れてしまうという失態の演技にはなったが、
笑いが起こる快感を覚えたのはハッキリと記憶している。それ以降、お笑い芸人
の夢を思い描いたが、まっ、人生なんて思い通りにならないものさ。そんな影響
を受けた存在がキャンディーズなのである。僕たち世代にとっては、スーパーア
イドルでありながら、ギャグ番組にも出るという親近感が、たまらなかったのでは
ないか? まだ女性というものが性の対象ではないない頃である。テレビの中で、
元気に歌ってお笑いもできる親しみあるお姉さんたちという存在で、スーちゃんの
あの明るい笑顔は大きな要素だったね。

今回のページでは、急遽悲しい記事を作らねばならなくなってしまったのは悔しい
が、それでも僕たちにとっては大切な記憶であり想い出である。『昭和40年男』と
しては、ありがとうの言葉を贈りたい。ご冥福をお祈りします。

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2件のコメント

  1. SUEちゃんの遺言にもあるとおり、ある意味”悲しい記事”しないで欲しいのが、リアルタイムファンだった、個人的な意見です。
    是非、前向きなキャンディーズの内容が少しでも盛り込まれる事を願っています・・・。

    • そうですよね、あんなにさわやかな言葉を残されたら、前向きにがんばるしかないですよ。今となっては『宴』で3曲やっておいてよかったですね。

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