先日、久しぶりに江戸東京博物館に出かけてきた。江戸時代から現代までの文化や暮らしの移り変わりを俯瞰できる楽しい施設で、これまでも幾度となく出かけている。見終わって浅草方面に向かってブラブラと行く散策も楽しく、ちょうど喉が渇いた頃に駒形どぜうの前を通りかかる。江戸時代より続く庶民の名店ののれんをくぐり、2人でどぜうなべ一人前とトッピングのささがきごぼう、そしてくじらメニューからひとつをチョイスしてビールをグビリというのが、毎度変わらぬ過ごし方だ。長っ尻することなく店を出れば、江戸っ子気分を満喫ってなもんでえ。って、ちょっと話がそれた。
今回なぜ出かけたのかといえば、NHKの大河ドラマ特別展として『真田丸』をテーマにして展開していたからだ。若い女の子でないのは残念だが、女性と2人でのんびりと出かけた。いやあ、それにしても混んでいた。仕方なしと牛歩のごとく進み、なんとか楽しめたのだった。
毎週月曜日の読者の集い『浅草秘密基地』では昨日、伊藤若冲展の話題になり、つい先ほど秘密基地の舞台となっている『FIGARO』のマスターが出かけてきたとの連絡が入った。写真のとおり(ちょっとわかりづらいが)の行列で、入場まで2時間待ちに観覧を諦めたとのことだ。今回は絶対に観たいと思っていたのをちょっとくじかれてしまった。せっかちな江戸っ子だからか、昔から並べない僕だ。サントリー美術館の広重展も行くつもりなのだがコチラも人気のようで、出かけた方はぜひ行列具合の情報をください(笑)。
こうした催しの動員が年々増えてきている気がする。高校時代に先輩から受けた説教により、絵画展を中心に芸術にふれるようになった。30年ほど前は、今考えたら1時間待ちはあたり前だろうというタイトルもすんなり入れた。高齢化のせいだと還暦越えの先輩は笑っていたが、自身を磨く気持ちが強い方が増加傾向なのではないだろうか。それも根本には若干ながら高齢化が起因するだろう。長い人生だからこそ知力を欲するとは、実に人間らしいじゃないか。
だが僕の並べない症候群(!?)は困ったものだ。先の『真田丸』でも、入場までの10分弱でさえ自分を褒めている。さてさて若冲と広重。僕の知力への気持ちは行列嫌いに勝るだろうか。江戸っ子を盾にしてあっさり負けてしまいそうな気がするが、明日発売の最新号の『ガツンとひと言。兄貴の説教』で、ダイアモンド✡ユカイ兄貴は心に響いた言葉としてガンジーさんの「明日死ぬと思って生きろ。永遠に生きると思って学べ」と語ってくれた。この説教を胸に僕は2時間行列に勝つ!?