この一杯のそばによって、実に切ない気持ちにさせられた。今日は〆切作業まっただ中だから、チャッチャッと済まそうと立ち食いそば屋に入った。かき揚げの写真に誘われて天ぷらそば410円+大盛り券100円也の食券を購入して待つことわずか、コイツが出来上がった。「うーん、なんだか写真とは違うけどうまそうだ」とこうして写真に撮った。いただきま〜すとかき揚げを汁の中に沈めるとビックリ仰天。まったく繋がっておらず粉々に崩れた。そしてその中に野菜などはほとんど見られず、言ったら揚げ玉の天ぷらである。薬味で乗っているネギよりも野菜が少ないのだ。
店内には客がほとんどいない。そりゃそうだ、今日よりゴールデンウィークで浮かれている人が、夕食に立ち食いそばというチョイスはほぼないだろう。陽の伸びた夕暮れ時に、天ぷらに落ち込むおっさんが1人でそばをすすっている姿は、なんともみすぼらしかったことだろう。薬味のネギを大切にしながら大盛りのそばを完食して店を出ると、浮かれたまんまの街に北風が吹いていたよ。
会社へと戻るそんな道でふと思い出したのは、小学1年生の初遠足でのこと。お袋が朝早くから腕をふるい、スゲーかわいくおかずを盛りつけてくれた。さあお昼だとみんなでシートを広げて輪になったとき、僕は男のくせにかわいすぎると広げるのをためらった。結局おにぎりだけを食べておかずには一切手を付けずに帰った。「なんだかお腹がいっぱいだったんだよ」と、訳のわからん言い訳をした。手つかずのおかずが入った弁当箱の蓋を取ったときのお袋のさみしそうなこと。今でも謝りたいくらいだ。
揚げ玉の天ぷらの無念がそんなことを思い出させた。食にまつわる感情は強く動くものですなあ。明日はうまいもん食うぞー(笑)。
たぬき天蕎麦ですか(^^;
豪勢なたぬき蕎麦だと思うしかないよね(>_<)
6月号楽しみにしてます、頑張ってちょ(^^ゞ
ありがとうございます。きっと楽しんでいただける一冊になると思います。
豪勢なたぬき…、そうですね(泣)。