まだまだ贅沢が禁止されていた昭和育ちの僕にとって、寿司や焼き肉はスーパースターで、カレー、スパゲティ、ハンバーグあたりが現実的なごちそうトリオだった。ゴレンジャーにおいて、カレー好きのキレンジャーという設定があることは、大衆のごちそうとしての地位がそのまま出ている。我が家ではカレーは土曜日の昼食が定番だった。半ドンの学校から帰っていい香りがするとガッツポーズだ。当時喜んで頬張りながらも、これらは大人になったら距離をおくだろうと思っていた。親父がそうだったし、子供心にも「子供じみたメニューだぜ」と思いつつ「子供なんだから仕方ねえぜ」と喜んでいた。
が、実際はどうだ。卒業どころかますます好きになっているじゃないか。50歳を過ぎてもカレーの誘惑にまったく勝てないし、スパゲティはパスタと呼んで大人メニューへと昇華した。ハンバーグだって食卓に並ぶとなんともうれしい気分になる。とくにカレーは作ってもおもしろい大人メニューだ。男ってきっと煮込み料理作りが好きなんじゃなかろうか。僕は典型的にそうで、カレーやスパゲティのミートソース作りは喜んでやる。カレーについては『昭和40年男』が創刊間もない頃に、特集でレシピを開発した。スパイスを10数種類買い込んで、好みの調合へと工夫して誌面で紹介したのだ。以来、本格的なインドカレー作りが続いていたが、ある日小学生の頃のカレーが恋しくなってジャワカレーを作ってみたらこれはこれでうまかった。
そこで一歩前進させてみた。インド風とルーで作るカレーの中間である。最近はこの中間カレーが我が家のブームで、先日も作ったのでご紹介しよう。本格的インドカレーはバックナンバーを見てもらうことにして、気軽にこれをやってみるといい。いつものカレーより2ランクくらい上がり、家族からの拍手喝采を受けることだろう。
まずはスパイスを手に入れたい。最近はスーパーにばっちりとラインナップされている。十数種類は大変だから、クミンとコリアンダー、カルダモンにオールスパイスがあればいいだろう。辛くしたければチリペッパーも用意しよう。面倒だったらガラムマサラ1発でもいい。以下、小さな箱のルー見当の分量で解説する。
粗くみじん切りにしたタマネギ中1個を色づくくらいじっくりと炒めておく。煮込み用の鍋でニンニク1かけと同量くらいのショウガのみじん切りを炒める。そこに塩こしょうした肉を入れて、野菜類をルーの指定どおり(炒めたタマネギはカウントしない)に炒める。先ほどのタマネギとトマトホールの缶詰をつぶして1缶入れて5分ほど沸騰させたら水を入れる。湧いたらスパイス投入だ。前述の4種をクミン3に対して他を1.5から2くらいの感覚で振る。クミンが7振りくらいでいいかな。適当で大丈夫なのが男の料理のいいところだ。これ以降は市販ルーの説明どおりに仕上げればバッチリ。塩気が足りないと感じたら投入しよう。たった4種でもスパイスは楽しいぞ。仕上がりにガラムマサラを振るとなおいいだろう。カレー好きの昭和40年男たちよ、この週末にトライして舌鼓を打ち鳴らせ!!
市販ルーのカレーに「コク」を深くさせるのなら、「砂糖」を入れると変わりますよ。
ただ、少量では全く変化がないので、思い切って多めに入れると良いのですが、これだけは好みによりますから色々と試して下さい。
3週間ほど前には金色のデカい鍋に、2.5箱分のルーを溶かしてタプタプに作り、5日ほどかけて一人で食べ切りました(笑)
ダシで溶いてカレーうどん、カレー粉でドライカレーを作り、その上にカレーを掛けるダブルカレー、カレー丼などで使えばアッと言う間に無くなります(^^;
他には餃子の具の中にカレー(具を取り除いたもの)を混ぜたカレー餃子も中々美味かったです。
・・・カレー作って食べたくなって来た、ヤバい(汗;
snow_torajimaさん、2.5箱とはスゴいですね。それも1人で平らげるとはお見事です。
それにしても砂糖ですか。僕は遠慮しておきます。昔よく通った茶店のマスターは、インスタントコーヒーを入れてました。コーヒーは豆で入れるのにカレーはインスタント。これいかに!?
奇偶ですね、私の家も夕食ですが土曜日はカレーの日でした。ウチの母の定番はバーモントカレーとフォンドボーディナーカレーのブレンド。ホントはディナーカレー100%がもちろんウマイのだけれど高価なので出来ないという家庭の事情がありました。
忍の後輩さん、ブレンドとはいえフォンドボーディナーカレーが入っているのはリッチですね。
土曜はやっぱりカレーですよね。おせちに飽きたらってのもありましたなあ(笑)。