先週末のことだ。10代の若者達に大きな刺激を受けた。なんと中坊たちだよ(笑)。
さてさて、みなさんは10代の頃にどんな将来を描いていただろうか? そして今の自分とピッタリとシンクロするか? そのギャップに苦笑いするしかない昭和40年男がほとんどだろう。でもあの日無謀な夢を描いたことは、きっと悪いこっちゃないはずだ。ドリフターズのメンバーになる。甲子園で優勝してタイガースに入る。プロの釣り師になる(三平の影響)。ボクシングで人気者になる(矢吹丈の影響)。小学校の教師になる(熱中時代・北野広大の影響)。中学校の教師になる(金八さんの影響)。世界を股にかけるミュージシャンになる…などなど、熱くなりやすい僕の10代前半はこんな感じだった。バカモノと呼びたいところだが、ガキなりに真剣にそこへと向かった日々があるのは、今に少なからずいい影響を与えていると思う。
東京青山にあるホンダの本社のステージに誇らしげに立つこの6人は、全員が世界チャンピオンになると誓った。僕ら世代の多数の報道陣を前に誓った若者というか子供たちはあっぱれである。真っすぐな気持ちを言葉にしている姿は清々しく、無謀だった自分を思い起こさせてくれた。そして僕ら世代だってチャレンジングな気持ちだけは捨てちゃならぬと拳を握った。年齢を重ねたなりの挑戦がたくさんある。ガキっぽい話かもしれないが、夢へと向かっていくのは今からだって始めちまえばスタートだ。
僕は50歳を記念して久しぶりにバンドを組もうと奔走している。やるからには夢を見るつもりだ。ドラム、ベース、キーボードはかなり強力なメンバーが集まった。が、肝心のギターが決まらない。ヘンドリックスみたいに変態で、ペイジみたいに華麗なバッキングが出来て、アンディ・サマーズみたいにセンスが良くて、ジ・エッジみたいに攻撃的で、キースみたいに渋い…、なんてことをのぞんでいるから穴があいているのだな。そんなヤツを見つけること自体がまるで夢だ。
バカなおっさんはさておき、10代の若者達にでっかい夢を見せている大人たちもやはりあっぱれである。3年目に入るレーサーの育成システムは、世界最高峰クラスへアジアから送り込もうという信念で突き進んでいる。『アジアタレントカップ』と命名され、同一のマシンを同条件下で走らせるガチンコレースだ。世界のサーキットを転戦するのだから、少年たちにとってはとてつもない経験になる。いい話じゃないか。おっさんにとっては自分の夢も大切なモチベーションだと思うが、こうして次の世代に夢を見せてやることも責務だ。
キヨシローも50歳を過ぎて「何度でも夢を見せてやる」と歌った。ジーンとくるフレーズでカラオケで歌いながら泣いちまうことがしばしばある。彼ほど確実に夢を見せてやることは出来ないけれど、その気持ちだけは強くしたいとマイクに向かって声を張り上げるのだ。夢を見る、そして見せようじゃないかタメ年諸氏よ!!