昭和40年男は雑誌好きが多い。おそらく僕らの前後世代は雑誌依存症の重症患者ばかりのはずだ。数々の創刊を見守り、巻き起こす騒ぎに拍手喝采した。テレビが伝えないサブカルチャーを紙媒体ならではの作り込みで届けられる雑誌に、いつもワクワクさせられてきた。昨今は業界全体に元気がないとはいえ後退しちゃイカンはずで、小さな会社なりに努力は続けていきたい。
雑誌のパワーがドンドン増していくず〜っと以前より、毎週発行を重ねて来た『週刊新潮』と『週刊文春』。コイツらに世話になる日は生涯来ないだろうなんて思っていた20代の頃が懐かしいと振り返るほど、十数年前よりすっかりヘビーユーザーとなった。人間てのは年齢によっていろんな変化があるものだと我ながらおかしい。値上げを何度か経ても付き合いはやめず、毎週400円を仕方無しで払い続けている。
ここ数年はほぼ文春だ。スクープ記事よりも楽しみにしているのは充実したコラムの数々で、硬軟ごちゃ混ぜの執筆陣による1or2ページの連載はどれもこれも楽しいものばかり。それぞれが毎号素晴らしい出来というわけじゃないが、それもまた紙好きには醍醐味である。残念ながら終了してしまったが、椎名誠さんの『風まかせ赤マント』が連載されていた頃は真っ先にそのページを開いたものだ。通勤や移動の電車でちょこっと開いてニヤニヤしながらコラムを読んでいる姿はおっさんそのものだな。
さて、ご周知の通り最近は水曜日がスリリングになっている。文春現象と言っていいかもしれない。発売前日にその内容から騒ぎが勃発する。今年に入ってからも驚愕のスクープを連発して、テレビに新鮮なネタを提供し続けている。この最新号による不倫騒動も大騒ぎになってうんざりしているタメ年諸氏は多いのではないか。どうでもいいスクープにテレビが時間を割きすぎていることはどうも気分がよくない。もっと報道しなければならない問題が山積していると憂いてしまうばかりだ。
個人的な問題は、電車の中で広げるのが少々恥ずかしくなっていること。秀逸なコラムでニヤニヤしている僕は、世間さまにはスクープでそうなっていると映るだろう。違うんだって!!