『MSN』をご存知でしょうか。えっ、『SNS』なら知っている? そんな昭和40年男は、子供さんか同僚や部下に聞いた方がいいかもしれません。現在、FIFAクラブ・ワールドカップのために来日にしているFCバルセロナが誇る史上最強の攻撃ユニット、メッシ、スアレス、ネイマールの頭文字からとった言葉です。日本の流行語大賞が『トリプルスリー』なら、サッカー界の流行語大賞は、この『MSN』でしょう(昨年からですが…)。
日本に住んでいる限り、スーパースタートリオの『MSN』を生で見る機会はまず、ありません。そのため、サッカーファンは今回の来日に熱狂。チームが到着した14日朝には、平日にもかかわらず500人を超える人たちが一目見たさに成田空港に集結したのです。
ところが、バルセロナの初戦となる17日の広州恒大戦にはメッシ(腎臓結石)とネイマール(左足付け根負傷)が、まさかの欠場。ネイマールに関しては来日前から負傷が伝えられていたので予想はされていましたが、メッシは試合当日の電撃発表。悲嘆にくれたファンも多かったと思います。果たして20日の決勝には間に合うのか、注目が集まっています。
広州恒大戦では『MSN』の一角、スアレスだけが出場しましたが、同選手は何と大会史上初となるハットトリックをマークして、ファンの度肝を抜きました。「さすがスアレス」と思うのと同時に、「スアレスひとりでこの破壊力なら、MとNが加わったら一体どうなる?」と、そろい踏みへの期待は否が応にも高まります。20日の決勝、バルセロナの先発メンバーに『MSN』の名前は並ぶのでしょうか――。
さて、ここまで誌幅を費やしておいて言うのも何なのですが、私はどうしてもリーベルが気になります。バルセロナの対戦相手であるアルゼンチンの名門には、サビオラがいるからです。我々世代を含めて以前からのサッカーファンならば、認知率はグッと上がると思うのですが…。コネホ(スペイン語でうさぎ)の愛称を持つ点取り屋で、バルセロナやレアル・マドリーでも活躍しました。34歳のベテランとなり、ベンチを温める可能性もありますが、ゴールへの嗅覚は健在。私も久しぶりに家のタンスからアルゼンチン代表のユニフォーム(背中のネームにはSAVIOLAのプリント)でも引っ張り出して観戦しようかな、と思っています。もちろん、『MSN』が見たい気持ちは皆さんと一緒ですが…。