平成29年4月に予定されている消費税率10%への引き上げ。それと同時に導入が検討されている軽減税率ですが、食分野における対象品目は「外食」を除いた「生鮮食品」と「加工食品」とすることで決まったようです。
しかし、この軽減税率は生活者の立場からいうと、非常にビミョーな問題です。家庭の食卓に増税がのしかからなくなる半面、軽減税率の対象品目を広げれば、税収は当然のごとく減少し、増税分で賄おうとしていた社会保障が危うくなります。
軽減税率で食費は恩恵を受けるのだから、社会保障は我慢しなければならないと考えるのか、それとも食費アップを我慢する代わりに軽減税率の適用範囲を狭めて、増えた税収を社会保障に回してほしいと考えるのか――。軽減税率はこのあたりの問題を浮き彫りにしましたが、「そもそも何で二者択一のようになるのか」という思いもありますし、「ほかに削減できるところはあるはず。それをやってから増税して」という意見も根強くあります。
昭和40年男もそろそろ“老後”や“年金”を考える時期にきています。今年は『下流老人』という言葉がクローズアップされたように、日本が厳しい高齢化社会を迎えている以上、社会保障の拡充はどうしても回避できない面があります。同時に未来を担う若者たち、つまり自分の子供たちの負担減も達成しなければなりませんから、何を捨て、何を得るのか、現実の生活をどうやって乗り切り、どんな未来を描くのか。昭和40年男にとっても切実な問題です。最終的には国民の意識や投票によって決まることになるはずですから、政党・政治家の政策に耳を傾けつつ、我々も勉強しておく必要があります。社会保障、財政の健全化、子育て支援…。昭和40年男の皆さんはどこにプライオリティを置き、どのように行動しますか?