表紙の秘密。

最新号が発売になっての1週間は、そのまま悪夢の日からの1週間だ。仕事に
がんばろう、またこうして文章をつづろうとするものの、心が重いことはやはり
正直なところだ。が、また自分に言い聞かせる。自粛からは何も生まれてこない。
楽しんでいただける本作りに邁進することが我々のやるべきことだと。今日も
昨日に引き続き、発売中の最新号について語ろう。

表紙づくりだ。毎度悩みに悩み抜く。「あんなの詰め込んだだけでしょ」と言われ
そうだが…。書店に行って眺めてほしい。確かにこれほどうるさい表紙には、
そうそうお目にかかれないことだろう。写真1発にタイトルとせいぜい第2特集くらい
でパシッと決めている雑誌が多い。なぜか? 主張がしっかりとするから結果的に
は手に取った人と特集のマッチングがいいのだと思う。棚をなんとなく眺めている
人へのアプローチとしても強いから、結果的に目立っているということになる。
指名買いで来た人にとっても探しやすい。加えて、パッケージビジネスである以上、
表紙のかっこよさは購入にいたる重要な要素であろう。『昭和40年男』のたとえば
今号であれば、ロゴの男部分の下に小さく入れた5人家族の写真をドーンと全面に
使って、家族の幸せとかってタイトルを人にかぶらないように縦でさりげなく置いて、
第2特集・昭和60年検証という作り方がなくはない。

だがなぜ、それとまったく逆行するような表紙にするのか? まず第一にこの本実は
ターゲットが広いのである。第一歩として年齢を絞り込んでいて、前後3〜5歳くらい
の方々のニーズにも応えられるだろう。そこからは先は男性誌という縛りしかない
のである。書店の棚に並ぶ多くの雑誌たちは、大人のファッション、大人のグルメ、
大人の趣味などと他の雑誌は年齢だけでなく、もう一階層、もしくは二階層ほど
掘り込んでいたりするのだ。これにぶつけるような表紙を作って手に取ってもらって
レジへと運んでもらえるようにするには、雑誌名で引っ張ってからスゲーてんこ盛り
じゃんと思っていただかないと勝負にならないのではないかという気持ちでこうなって
いる。正解なんてわからないが、おもちゃ箱を引っくり返したようなにぎやかさで手に
取ってもらおうということだ。

あれもこれも入れたいという気持ちのあらわれでもある。前述の通り実はターゲットに
対しての縛りが少ないから、どれも全力投球で企画を多く放り込んである。そして
自分の好みも大きく出てきてしまったのが、タイトルの両名の登場である。考えて
いるようでわりと自分色なのだ。だが、みなさんとのファーストコンタクトである表紙は、
いつも試行錯誤を繰り返しながら作っている。なんとなくテイストが定まっているように
感じている方もいるかもしれませんが、まだまだトライするからなにがあるかわからない
よ。悩み抜いた今回の表紙は、過去最高文字量という記録を達成したのさ。

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