『レッド・スペシャル・メカニズム クイーンと世界をロックさせた手作りギターの物語』が今日4日、DU BOOKSから発売されました。
著者はブライアン・メイ。言わずとしれた、クイーンのギタリストです。本書は、彼と彼の父親が製作した“世界一有名なハンドメイド・ギター”レッドスペシャルに関する物語です。
ブライアンは本書の中で、自ら製作を手がけるに至った動機をこんなふうに語っています。
「父親と僕は、エレクトリック・ギターを作ることに決めた。僕はゼロからギターを設計した。当時売っていたどのギターよりも性能が高くて、チューニングがやりやすく、広い音域とサウンドが得られて、高性能なトレモロが付いていて、空気の振動を通して“よりうまく”フィードバックするギターをね」
つまり、ブライアンは当時、市販されていたあらゆるエレクトリック・ギターを凌ぐ性能のギターを手にすることを夢見ていたわけです。そして彼の父親もまた、息子の夢を実現させるだけの技術的な知識や技能を有しており、名器誕生に尽力したのです。
本書は大胆にもレッドスぺシャルの分解写真を掲載するなど、デザインやパーツを含めたメカ二ズムの深部を紹介していますが、もうひとつ、先ほど述べたような父子関係も重要な要素として取り上げています。
技術的な部分だけでなく、人間的なストーリーもふんだんに織り込まれ、さらに歴史を彩った数々のステージに関しても語られていますので、レッドスぺシャルを軸にした重厚な一冊となっています。
昭和40年男ならクイーンファンは多いでしょうし、ギター好きも同様でしょう。年末年始、少しゆっくりできる方は手に取ってみてはいかがでしょうか。