加藤和彦さんに感謝の夜。

ライブ直前。静かに出番を待つ僕の相棒はもう35年のつきあいだ
ライブ直前。静かに出番を待つ僕の相棒はもう35年のつきあいだ

一昨日は久しぶりにライブハウスでの演奏だった。以前にもちょっと書いた、年に1度の業界のパーティで余興として演奏する。この余興とは、参加者から数名をステージに上げて、歌を披露してもらうのだ。それに飽き足らず、お客さんに歌ってもらう前座としてバンドのメンバーが歌う数曲を演奏する。合わせて10曲がセットされた。毎年お決まりの、夜遅いスタジオ練習3回を合わせて年に4回しか稼働しない中高年バンドだ。クソ忙しい連中がなんとか時間を割いて練習して、一昨日の本番を終えた。きっとメンバー全員ホッとしていることだろう。

演奏リストの中には、これまで縁遠かった名曲が多くあり勉強になる。植木等やチューリップ、チャゲアスから名曲『おどるポンポコリン』までが飛び出すバラエティに富んだものだ。ちなみに僕はプレスリーになって『監獄ロック』を熱唱した。

これまでも大好きな曲だったのに『タイムマシーンにお願い』を演奏したことがなかった。これが実におもしろい。さすが、当時の日本で最先端だっただけあって、いろんなアイデアがてんこ盛りである。昭和49年にこんなハイカラな曲が日本に存在したとは驚愕だとあらためて感心するとともに、彼らによって日本のポビュラーミュージックの発展がどれだけ早まったかと敬意を表する。ギターのリズムアレンジが楽しい。リズムの変化の付け方がうまい。そしてなんたって楽曲のクオリティがものすごく高い。もうホントに昭和49年とは思えず、今もまったく古さを感じさせない。僕の『監獄ロック』に続いてコイツが来たので、会場は中高年ながらノリが炸裂した。

それにしても加藤和彦さんの天才っぷりはすごいと再認識させられた。そして空の上でお客さんたちの熱狂を喜んでくれたのではなかろうかなんて、ちょっとうれしい気分にもなった。演奏してみて、彼への感謝の気持ちがまた強くなった夜だった。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で