漫画家の水木しげる (本名:武良 茂=むら・しげる) さんが30日、都内の病院で死去されました。水木さんといえば、『ゲゲゲの鬼太郎』。昭和40年世代はもちろん、多くの日本人にとって絶対に忘れることのできない作品ですし、間違いなく漫画・アニメ史に残る金字塔でしょう。鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男、猫娘、一反木綿、ぬりかべ…。次から次へとキャラクターが頭に浮かび、主題歌である「ゲ・ゲ・ゲゲゲのゲ~」は自然と口をついて出てきます。
我々世代にインパクトを残した漫画やアニメは数々ありますが、『鬼太郎』は特別だったような気がします。日本人が古くから恐れ、あるいは敬ってきた妖怪を主人公に据えることで、逆に人間の持ついやらしさや理不尽な面が映し出されていたような気がします。その作風はオリジナリティにあふれ、王道のヒーローものでは感じることのできなかった要素が多々ありました。
また、水木さんは戦争をテーマにした作品も描かれていました。こちらの方も胸に迫るものがありますし、水木さんの妻・武良布枝さんが著し、NHKの連続テレビ小説で放送された『ゲゲゲの女房』が感動を呼んだことも記憶に新しいところです。
『ゲゲゲの鬼太郎』の主題歌を歌った熊倉一雄さんも10月に亡くなられており、我々にとって非常につらい訃報が続いたことになります。
謹んでご冥福をお祈りします。