秋から冬は湯豆腐の登場機会がグーンと増えるが、我が家では湯豆腐を鍋と扱っていない。「今日は鍋にしよう」というセリフは湯豆腐以外のためにある。そして鍋には毎年トレンドがあり、チゲ鍋だったりちゃんこだったりと移り変わる。今年はどうやらキノコ鍋が主役になりそうだ。
キノコが体にいいのは小さな頃よりすり込まれてきた。コイツをたっぷりと使った寄せ鍋で、ちょっとしたコツを習得したのでお奉行各位に伝授しよう。なにを入れてもいいから5種以上のキノコを用意する。その他は好きな具材をそれぞれに用意すればいいだろう。ちなみに我が家では貝類をなにか1つ、鶏肉、鱈などの魚の切り身、練り物、豆腐、白滝、そして野菜類ではネギを多めに入れる。用意したキノコの半分を超弱火の土鍋にそのままぶち込み酒を少々たらす。キノコ全体に酒が回る程度の量でヒタヒタにはしないで、煎る感じで木のへらで丁寧に混ぜながら火を通していく。この手間が最高の鍋へと誘ってくれるのだ。キノコから出汁が少しずつ出てきて、やがて鍋の中は水分が多くなってくる。くたくたになってキノコの汁がもうこれ以上増えないだろうというところで、昆布とカツオ、近年福岡ですっかりハマったアゴで取った出汁を張る。塩、酒、醤油(僕は甘いのが苦手だからみりんは使わない)で味をつけたら具を投入してグツグツグツ。キノコは種類ごとに違ううま味があるらしいから、ちょっと奮発するとよいだろう。鳥がとってもよくあうからマストにしてほしい。出汁のうま味が濃いから味はやや薄めかなって程度がいいだろう。
豚肉がたっぷり入ったチゲやちゃんこもいいが、50歳の胃袋にはこんな深〜い出汁の鍋がいいぞ。ついつい酒が進んでしまうから、体にとっちゃプラスマイナス0かもしれないが、ともかくキノコは健康にいい。シーズンインして「今日は鍋にしよう」となった2回ともキノコ鍋になった我が家で、今年は高い頻度で登場しそうだ。疲れたおっさんたちにオススメですぞ。