東京ムービー(現トムス・エンタテインメント。以下TMS)のアニメーション制作50周年を記念した書籍、『『アニメージュ』が見つめたTMSアニメ50年の軌跡』が徳間書店から好評発売中です。
TMSはこれまで『ルパン三世』や『あしたのジョー』、『ベルサイユのばら』、『名探偵コナン』、最近では『弱虫ペダル』など誰もが知っている人気アニメを制作してきた会社です。そのTMSの制作50周年を記念して作られたのが同書なのですが、興味深いのは老舗のアニメ雑誌『アニメージュ』とタッグを組んだ点です。『アニメージュ』がこれまで取り上げてきたTMS関連の特集記事を再録することで、TMSの軌跡が辿れる一冊になっています。
もちろん再録の部分に関しては、すでに一読された方もいると思いますが、当時の現場スタッフの声やコラムなどに改めて目を通してみると、私などは「あの作品の裏側にはそんなことが!」と、つい感嘆の声をあげてしまいました。
書籍のタイトルにあるとおり、TMSは“50歳”になりました。つまり、同社が送り出してきたアニメと昭和40年男は人生を並走してきたわけです。『天才バカボン』、『巨人の星』、『AKIRA』…。お笑いからスポ根、SFまで我々はTMSアニメから相当多くのことを学んだような気がしますし、今回の発売に合わせて昭和40年男の人生を彩ってくれた作品群を振り返ってみるのも悪くないでしょう。
なお、特別付録として2011年に逝去した名匠・出﨑統監督による幻の名作『ゴルゴ13劇場版』(脚本:長坂秀佳/主演:瑳川哲朗/94分)を収録したDVDが付いている点も見逃せません。
<目次>
第1章 出崎統の世界
第2章 「ルパン三世」の魅力
第3章 「スポ根」という原点
第4章 ドタバタコメディとファミリードラマ
第5章 SF・ロボットへの挑戦
第6章 2000年代のTMS
第7章 TMSの歴史